WTI原油、週間3%下落。緊張高まるOPECプラス。原油価格の見通し
2024 05 27, 午前 02:05 +00:00このページの内容
原油価格は週間で3%下落。FRBの利下げ観測後退に加え、在庫増加が重荷。6月2日に原油価格にとって重要なOPECプラス会合が開催。重要イベントを控えた原油価格の今後の見通しとは。
【関連記事】WTI原油、そり立つ80ドル。OPECプラスの進軍。原油価格の見通し(2024年5月30日公開)
【原油価格のターゲット】
上値:80ドル
下値:77.61ドル
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原油、週間下落
WTI原油価格は、週間で3%近く下落した。米国で原油在庫が増加したことや、中東情勢の悪化にも関わらず原油供給が安定していること、FRB(米国連邦準備制度理事会)の利下げ観測が後退し米ドル高が進展したことなどが、原油価格を押し下げた。
原油の価格は米ドル建てで決定されていることから、ドルが上昇すると、原油を買える量が少なくなるため、ドル上昇は原油価格の下落圧力となる。
資料:BloombergよりDailyFXが作成。
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OPECプラス会合近付く
石油輸出国機構(OPEC)にロシアなどを加えたOPECプラスは、6月2日に会合を開催予定である。6月末までとされているOPECプラスによる原油減産の延長が議論される見込みである。
減産延長を市場参加者が見込んでいるものの、減産に参加している一部の国からは、減産に対する不満の声があり、不透明感な部分がある。
大きな不満がなく、減産延長が決定された場合、原油需給を引き締めるとの見方から、原油価格が上昇する可能性がある。一方、OPECプラスが減産延長に対して一枚岩ではないとの見方を強める結果となった場合、原油価格を押し下げる可能性がある。
本来の原油生産能力に対して、原油の減産を進めている国はばらつきがある。OPEC加盟国では、サウジアラビアや、アラブ首長国連邦、イラン、イラク、クウェートといった国が原油減産を大きく実施している。5月に入り、イラクの石油大臣は、減産に対する不満を述べている。
資料:BloombergよりDailyFXが作成。
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WTI原油価格の見通し
WTI原油価格(1バレル)は、フィボナッチリトレースメント61.8%水準77.61ドルを一時下方ブレイクしたものの、その後戻しており、ブレイクは「ダマシ」であった。MACDラインおよびシグナルラインは概ね横ばいであり、明確なトレンドを示していない。
OPECプラス会合の結果次第で、原油価格が上下に大きく動く可能性がある中、5月に入ってからのレンジ77.61~80.00ドルで推移することを見込む。レンジを上方、もしくは下方にブレイクすると、原油価格のトレンドが明確になる可能性がある。
【原油価格のターゲット】
上値:80ドル
下値:77.61ドル
WTI原油価格日足チャート
資料:TradingView
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著
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