※2024年5月8日14時19分更新
イングランド銀行(英国の中央銀行)は9日に開く金融政策委員会で政策金利を据え置くと予想されているが、利下げに動くのはそれほど先ではないかもしれない。ファンダメンタルズ、テクニカルの両面から今後の英ポンドの見通しを探る。
テクニカル・ファンダメンタルズの両面から広範に分析した英ポンドの中期的な見通しを入手し、トレードにお役立てください。無料ダウンロードはこちらから↓
英ポンド (GBP/USD) の分析とチャート
- 英ポンド/ドルはやや下落したが、1.25ドルを上回る水準を維持
- 英米の金利は9月に引き下げ開始の見通し
- 英中銀の動きとは?
祝日明け7日の欧州外国為替市場で、英ポンドはドルに対して若干回復した。現在は9日開催のイングランド銀行(BOE)による5月の金融政策発表を前に、やや不安定な展開となっている。
英国では5月に金利が上昇することはないと予想されており、英中銀は政策金利を5.25%に据え置くと見られている。その予想が的中した仮定すると、市場の焦点は9人の金融政策委員の投票結果と、それに付随するコメントに当てられる。英中銀はこれまで、メンバーの投票が利上げ、利下げ、据え置きの三択に分かれると珍しい投票結果で知られてきた。
しかし今回は、利上げを支持するものはおらず、せいぜい二者択一となりそうだ。英国のインフレ率は依然として英中銀の目標である2%を大きく上回っているが、低下傾向にある。直近の3月のインフレ率は3.2%で、過去2年を超える期間の中で最低水準となった。すでに実施されている金融引き締めは、ゆっくりではあるが明らかに機能しており、低迷する英国経済にこれ以上の金融ブレーキは必要がないことは確かだ。
現在のところ先物市場は、英国と米国の初の利下げは9月になりそうだと見ている。しかし、どちらの予測も今後発表される経済データに大きく左右される。米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げに踏み切るとの予想に近づいたのは、先週の米雇用統計が予想外の内容となったからだ。それ以前は、米利下げは11月と市場は見ていた。
英ポンドは、現在のレンジのまま金融政策決定会合に臨み、英中銀が利下げに関して現在の市場予想通りの見通しを示した場合は、上昇するのに苦戦する可能性がある。
専門家のように英ポンド/ドルを取引する方法を学ぼう。無料ダウンロードはこちらから↓
英ポンド/ドル テクニカル分析
英ポンド/ドル (GBP/USD) 日足チャート
TradingViewを使用して作成
英ポンドは、3月中旬の高値を起点とし、以来価格を支配してきた広範な下降トレンドチャネルを上抜けた。しかし、この上方ブレイクはまだ大きな説得力を持っているようには見えず、ここから上げ幅を広げるためには、上向きバイアスを確信させるほかの証拠も必要となる。
今のところ、4月29日の高値1.25692と4月24日の安値1.24201の間のレンジが機能しており、現在価格が位置する水準近くであるこの下降トレンドチャネル内の1.25178にはサポートがある。
1.24859に位置するリトレースメントサポートはかなり強固に見え、一方、50日移動平均線がある1.26067は、レンジの頂点を突破した場合の障壁となろう。
英ポンド/ドルは今年の大半、2022年9月の安値から昨年7月の高値までの上昇の最初のリトレースメント水準を上回って推移している。相場に大きな変化が起きない限り、この水準を維持する可能性が高そうだ。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -18% | 24% | 2% |
週次 | -1% | -2% | -1% |
--- DailyFX.com デイビッド・コトル著
最新記事や学習コンテンツ、経済指標など、トレードに役立つ情報をX(@DailyFXJapan)やYouTubeは(デイリーFX公式チャンネル)でも配信中。今すぐチェック!