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ブルマーケットとは?ベアマーケットとの見極め方やポイントを解説

ブルマーケットとは?ベアマーケットとの見極め方やポイントを解説

ニック・コーリー, シニアストラテジスト
原著者
DailyFXJapan, Research
翻訳者

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このページの内容

※2024年5月30日更新

マーケットのブル(強気)とベア(弱気)は、異なる2つの動物が由来となった表現です。強気相場(上昇)と弱気相場(下降)を見極める能力は、トレーダーにとっても投資家にとっても基本的なスキルです。マーケットがいつ、一方の方向からもう一方へ転換するかを識別できれば、上下どちらにも動くマーケットから利益を得られるでしょう。

本記事では、ブルマーケットとベアマーケットの概要や注意点、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析によってブルマーケットとベアマーケットを見極める方法、その動きを利用するためにはどうすべきかを解説します。

ブルマーケット(強気相場)とは?

ブルマーケットとは、価格の上昇が続いているマーケットのことであり、強気相場やブル相場とも呼ばれます。つまり、高値の更新が続いていく相場のことです。

「ブル」とは雄牛のことで、その角が高く上に突き上がっていることから、そう呼ばれるようになったと言われています。強気相場に明確な定義はありませんが、価格が直近の安値から20%以上上昇すると、強気相場入りしたと言われることが一般的です。

強気相場の特徴として、価格の上昇、ポジティブなセンチメントの持続、そして良好な経済背景が挙げられます。強気相場は数ヶ月、あるいは数年続くこともあります。

ブルマーケットの注意点

ブルマーケットでは、株価の上昇に沸き立つ投資家心理が過度な楽観につながる傾向があります。ブルマーケットが長期化すると、「今買わないと損をする」などの危険な思い込みから、投資判断を誤る可能性が高くなります。過去の例を見ると、ITバブル崩壊やリーマン・ショックなど、ブルマーケットの終盤で多くの投資家が過度の楽観に陥り、大損失を被ってきました。

また、ブルマーケットでは、株価や資産価格が過熱気味に上昇することがあります。投資家の間で「今が買い場」との期待が高まり、一層の値上がりを招きます。このような状況下で新規参入を行うと、高値掴みのリスクが高まります。

バブル崩壊時には以下のような事態が予想されます。

  • 株価や資産価格の大幅な下落
  • 投資損失の発生
  • 資金の回収遅れによる資金繰り悪化

このように、高値掴みのリスクを回避するための対策が重要です。過度に期待することなく、冷静な判断を心がけなければなりません。

ブルマーケットでの取引戦略

ブルマーケットでは株価が上昇トレンドを形成しているため、投資家は楽観的になりがちです。しかし、過度の楽観には大きなリスクが潜んでいるため、リスク管理を徹底することが不可欠です。

例えば、以下の点に注意する必要があります。

  • 投資額の上限を設定する:資産の一定割合以上を投資に割り当てない
  • 損切りルールを設ける:含み損の許容範囲を決めておく
  • ポートフォリオの分散を図る:業種や銘柄の偏りを避ける

また、自身の取引スタンスを守りながら、以下のように冷静に投資判断を下すことも大切です。

  • テクニカル分析やファンダメンタルズ分析に基づく判断を徹底する
  • リスク管理の徹底(ポジションサイズ、損切りルールの設定など)
  • 利益確定のタイミングを逃さない

感情に流されることなく、冷静な判断を心がけることが、ブルマーケットにおける投資の成否を分けるポイントと言えます。

【関連記事】バブル崩壊について、詳しくは「世界のバブル経済の歴史をプロが解説!アメリカや日本のバブル崩壊の影響とは?」をご覧ください。

ベアマーケット(弱気相場)とは?

ベアマーケットとは、マーケットで価格の下落が続いているマーケットのことです。弱気相場やベア相場と呼ぶ場合もあります。「ベア」とは日本語で熊を意味しており、熊が上から下に向かって爪を振り下ろす動作と、価格が下落する様子を重ねてベアマーケットと呼ばれるようになりました。

弱気相場には明確な数字の定義はないとされていますが、価格が直近の高値から20%以上下落すると、ベアマーケット入りしたと言われることが一般的です。

弱気相場は激しい価格変動を引き起こし、その動きが数ヶ月から数年続くこともあります。とはいえ、価格の変動が激しい分、強気相場より展開が早くなる傾向があります。

【関連記事】強気相場と弱気相場の代表的な事例は、以下の記事で確認できます。

ベアマーケット(弱気相場)は非常に変動しやすい

ナイフ が含まれている画像  自動的に生成された説明

強気相場において、トレーダーはマーケットの背景に確信を持ち、投資やトレードのポジションをより長く保有します。一方、弱気相場においてトレーダーはマーケットにつきまとう不確実性のせいで、常に価格の下落を心配する傾向が高いでしょう。

弱気相場で売り取引をしている場合、このような不確実性が支配し、急激な反転を恐れるあまり、ポジションを持ち続けることが難しく、神経をすり減らすことになるかもしれません。さらに、トレーダーは不規則な値動きのために、通常では考えられないような水準での売買に振り回される可能性があり、このような不確実性がマーケットにボラティリティをもたらします。

価格の大きな下落は、「押し目買いのチャンス」と買い手をマーケットに呼び戻す可能性があります。そしてその後、価格が下落し続けるとポジションをすぐに売ることになり、再びネガティブなセンチメントと不安定な値動きに拍車がかかります。「落ちてくるナイフはつかむな」という格言は、今も変わらない真実です。長期的な弱気相場の中、短期的な強気の動きが見られるのはよくあることで、その逆もまたよくあることだと覚えておいてください。

【関連記事】弱気相場での取引方法について、さらに詳しくは「弱気相場とは?意味や強気相場との違い、見極め方、取引戦略を解説」をご覧ください。

ベアマーケットラリーに注意

ベアマーケットで取引する場合、「ベアマーケットラリー」に注意しなければなりません。ベアマーケットラリーとは、弱気相場の中での上昇局面を指し、大きな下落トレンドの中でよく発生します。ベアマーケットラリーは一時的な上昇であり、価格は再度安値を更新します。

例えば、トレンドの転換を予測して買うと、一転して下落が始まり、あっという間に安値を更新してしまうことが挙げられます。そのため、弱気相場では本当にトレンドの転換が起きているのかを慎重に見極める必要があります。

ブルマーケットとベアマーケットを見極める際にファンダメンタルズ分析で注目すべきポイント

ファンダメンタルズ分析はトレーダーが金融マーケットの展望を予測するのに役立ち、さらに他の分析ツールやテクニックを併用する際にも欠かせません。また、経済の現状と金利の先行きを判断するためには、中央銀行の動向を注意深く観察する必要があります。

中央銀行が金融政策のスタンスの変更や、景気の拡大または収縮を発表すれば、FX市場や債券市場も影響を受けて、価格あるいは価値が変更されます。さらに、政治情勢の見通しや国内外での貿易の混乱や紛争も考慮することが重要です。

【関連記事】FXと金利の関係性について、さらに詳しくは「FXと金利の関係とは|FOMCや日銀など政策金利におけるFX戦略」をご覧ください。

一方で、株式のファンダメンタルズ分析はFXと少し異なり、キャッシュフロー、配当、利益、投資利益率(ROI)、経営陣の歴史と能力などの指標を考慮し、より企業に焦点を当てる傾向があります。

【関連記事】ファンダメンタルズ分析に加えて、テクニカル分析も重要な要素です。詳しくは、「ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の違いと有効な組み合わせ方!」をご覧ください。

ブルマーケットとベアマーケットの判断でセンチメントが重要な理由

ある資産クラスがトレンド転換の変わり目にあるかどうかを判断する場合、マーケットのセンチメントは非常に重要な役割を果たします。センチメントはマーケット全体の基調とみなされ、楽観的でポジティブなセンチメントはブルマーケットの原動力となります。一方で、悲観的でネガティブなマーケットのセンチメントは通常、価格を押し下げます。

「強欲」と「恐怖」は両極端であり、ブルマーケットはトレンドに飛びつこうとする投資家を集めやすい傾向があります。一方で、リスクの低下を求める投資家がひしめくベアマーケットもまた、下落する株価から利益を得ようとする空売り勢を引き付けます。これらの指標が極端なレベルに達するときは、ポジションが一方に偏り過ぎてトレンドが反転しやすくなるため、相場は転換間近だと見られることがあります。

トレーダーは強欲と恐怖の極度のレベルに逆らった動きを捉えようとするため、逆張り指標と言われるセンチメント指標はマーケットの動きを判断するのに非常に役立ちます。

【関連記事】FXのトレード心理について、さらに詳しくは「FXのトレードにおける心理をコントロールして失敗を防ぐ方法を解説!」をご覧ください。

また、IGクライアントセンチメントを活用すれば、幅広い資産クラスについて、日次および週次のポジションの変化と、全体的な各相場の偏りを把握できます。

ブルマーケットとベアマーケットをテクニカル分析で判断する際のポイントと例

グラフ  自動的に生成された説明

テクニカル分析とは、資産やマーケットの価格を評価するために統計分析を利用する手法です。トレーダーは、価格と出来高を含む過去の取引データを利用してチャートを作成し、資産やマーケットが過小評価されているのか、過大評価されているのかを確認します。そして、この状況が反転または延長する時間枠を予測します。

活発なトレーダーは、1分足のような短時間のチャートを使うことがある一方、長期的な投資家は日足や週足チャートから十分な情報を得たうえで取引タイミングを選定します。

将来の動きを予測するのに役立つトレンドやパターンは以下のように、さまざまなものが挙げられます。

  • 方向性のあるトレンド:より高い高値と安値を更新する上昇トレンドは強気相場を、より低い高値と安値を更新する下降トレンドは弱気相場を示す。
  • 過去の価格パターン:多くのテクニカル分析では、将来を予測するために過去に注目している。常に特定の価格水準で上昇あるいは下落しているのか、それは何回起こっているのか、他の資産との相関関係や両者の動きにタイムラグはあるかなど。
  • 出来高:マーケットの変化を見極めるのに役立つ。通常よりも大きなボリュームで資産が突然反転した場合、トレーダーはトレンドの変化が起きている可能性に注意する必要がある。出来高が少なかったり通常とあまり変わらなかったりするのであれば、反転の可能性は低いだろう。上昇トレンドで出来高が減少している場合、この動きの勢いが減速している可能性が高く、相場反転の可能性を示す兆しである。

以下は、ベアマーケットからブルマーケットへと変化することがテクニカル分析から読み取れる例を示しています。

グラフィカル ユーザー インターフェイス, グラフ  自動的に生成された説明

ブル・ベアマーケットの間で変化したS&P500の例

以下のチャートは、米国500種株価指数(S&P500)が過去23年間、強気相場と弱気相場の間をどのように変化しながら推移したのかを示しています。

S&P500の月足チャート 1996年~2019年4月

タイムライン  自動的に生成された説明

上記のチャートにおいて、どのようなファンダメンタルズの変化がマーケットを動かしたのかを読み取ることも重要です。

インターネット企業に対する極端に高かった株式市場の評価が突然急落し、ITバブル(ドットコムバブル)が弾け、最初の弱気相場が2000年代初めに始まりました。強欲は恐怖に変わり、マーケットが均衡を見いだして落ち着きを取り戻し、弱気相場が終わるまで、投資家たちは株を投げ売りしました。

2003年3月、金融マーケットはブッシュ米大統領によるインフラ支出の拡大と減税に後押しされ、上昇に転じ始めました。減税などのマクロ経済によるファンダメンタルズの変化は、2008年に世界金融危機がマーケットを支配するまでは個人消費と経済成長を促しました。

2007年末から2008年初めにかけて、当時、米国の家計資産の主軸であった住宅価格が暴落し、米国の経済成長率が鈍化したことによって株価が急落。米国政府は経営不振に陥った投資銀行ベアー・スターンズを救済するために介入を余儀なくされ、その後、数千億ドルのサブプライム住宅ローンを買い取った政府系住宅ローン会社であるファニーメイとフレディマックを支援しました。2007年9月から2009年3月にかけて、ネガティブなセンチメントが強まるにつれ、米国500種株価指数は60%近く下落しました。

2008年、米国経済は不況に陥り、FRB(連邦準備制度理事会)は迅速な対応を迫られました。金利はすでにゼロに近かったため、中央銀行は米国債と住宅ローン担保証券の購入を通じて米国経済に資金を注入しようと、QE(量的金融緩和)に着手。2008年から2015年末までの間に、FRBのバランスシートは3回のQEを経て、9,000億ドルから4兆5,000億ドルに拡大しました。

まとめ

この記事では、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析を用いてマーケットの動きを見極めるさまざまな方法を紹介しました。これまでの練習と知識を取引全体で有益に使うことは、マーケットの動きとセンチメントを迅速かつ確実に把握するのに役立ちます。

弱気相場はネガティブなセンチメントが急激な値動きを引き起こすため、非常に速く動くことがあります。一方で、ほとんどの強気相場はそれほど激しく動くことはありません。強気相場でも弱気相場でも、主要なトレンドを打ち消さず短期的に価格が逆方向に動くことがあります。そのため、取引チャンスはどちらの方向にも見つけられることは理解しておきましょう。

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