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トレーダーが知っておくべきカナダドルの特徴とは?通貨ペアごとの値動きの特徴も解説

トレーダーが知っておくべきカナダドルの特徴とは?通貨ペアごとの値動きの特徴も解説

DailyFX, Research
原著者
DailyFXJapan, Research
翻訳者

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このページの内容

カナダドルには独自の変動要因があり、取引をする前にしっかりと把握しておくことが必要です。また、米ドル/カナダドルユーロ/カナダドルにも値動きの特徴に違いがあります。本記事では、カナダドルの変動要因や値動きの特徴をプロが解説しています。

カナダドルとは?

カナダドルは、カナダの公式通貨です。トレーダーからは、非公式に「ルーニー」と呼ばれることもあります。この呼び名は、カナダ原産のコモン・ルーンという鳥にちなんでいます。

カナダ初の紙幣は、1817年に発行されました。1841年にはカナダポンドが採用されましたが、同名の英国通貨(英ポンド)と連動したことはありません。1854年、カナダは金本位制を導入しました。しかし、金への兌換は第一次世界大戦中に中断され、1933年には完全に廃止されました。

1949年、カナダポンドはカナダドルに置き換えられました。その翌年、カナダポンドは変動相場制となり、1962年に固定相場制が導入されるまで続きました。その後1970年に再び変動相場制に移行され、現在に至っています。

1987年には、コモン・ルーンのイメージを持つ1カナダドル硬貨が導入されました。硬貨には「ルーニー」という愛称がつけられ、カナダドルの同義語となっています。

カナダ銀行(中央銀行)の歴史

1933年、R.B.ベネット首相は銀行と通貨に関する王立委員会を設立し、その後、同委員会はカナダに中央銀行を設立する案を作成しました。カナダ銀行(BOC)が設立される以前のカナダ最大の銀行は、モントリオール銀行でした。モントリオール銀行が政府の銀行として機能し、一方で財務省がカナダ紙幣の発行を担当していました。

カナダ銀行は1934年にカナダ銀行法にもとづき、政治的中立を保つために民間企業として設立されました。1938年、ウィリアム・リヨン・マッケンジー・キング首相により、王立企業に指定されます。

BOCはカナダの金融政策を策定する任務を担っており、1944年にカナダドルの単独発行機関となりました。金融政策は理事会の投票による合意で決定され、理事会はBOC総裁、上級副総裁、4名の副総裁で構成されています。

カナダドルの3つの変動要因

カナダドルの主な変動要因は、以下の3つです。

  1. BOCの金融政策
  2. 市場センチメント
  3. 米国との関係

実際に取引をする前に、しっかりとチェックしておきましょう。

1.BOCの金融政策

カナダ銀行(BOC)の使命は、インフレ率を1~3%に保ち、中期的に安定した物価環境を提供することです。これを達成するには柔軟な為替レートが不可欠になりますが、この柔軟な為替レートは内外の経済的ショックに対する「緩衝材」にもなります。

BOCは目標を達成しようと、利上げや利下げ、公開市場操作(その他の金融政策手段のうちの一つ)などの従来型の政策手段だけでなく、2008年の世界金融危機やそれに続く大不況の後に登場した量的緩和(QE)のような非伝統的な政策を用いることもあります。

BOCでは記者会見もおこなっており、会見でのBOC当局者のタカ派、あるいはハト派の発言にもとづき、マーケットは利上げか利下げか、金利の方向を予測することもあります。さらに、国内総生産(GDP)や消費者物価指数(CPI)、製造業購買担当者景気指数(PMI)などの経済活動に関する指標もカナダドルに大きな影響を与えます。

このような指標の発表で、データが予想外に良かったり悪かったりした場合、マーケットではBOCの政策がタカ派またはハト派的になることを予想して取引がおこなわれる傾向があります。その結果、この憶測がカナダドルの価格変動を引き起こすことがよくあります。

BOCの金融政策がカナダドルに与える影響

グラフ, ウォーターフォール図  自動的に生成された説明

2. 市場センチメント

カナダは農産物、原油、木材、天然ガスといった重要な天然資源の主要輸出国です。このため、カナダは国際的なサプライチェーンの比較的初期段階に位置し、世界的な経済活動の見通しの変化に対して特に敏感です。実際には、経済の状態が米国500種株価指数(S&P500)のようなベンチマーク株価指数に反映されるように、カナダドルの為替にはマーケット全体のリスク選好度の変動が反映されます。

さらに、カナダは世界第4位の石油供給国です。原油価格の大きな変動がカナダ経済の運命を左右し、BOCの政策にも影響を及ぼす限り、そのような動きが通貨にも反映される可能性があります。

3.米国との関係

カナダの輸出の約80%は米国が占めています。つまり、南の隣国である米国との関係に変化が生じると、為替レートが大きく変動する可能性があるということです。例えば、2017年から2018年にかけて、当時の米国大統領ドナルド・トランプ氏が影響力の大きい北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を推し進めた際には、議論が巻き起こり、不確実性をあおり立て、カナダドルにとって重荷となりました。

カナダドル(CAD)に対する金属への関税の影響

グラフ, ヒストグラム  自動的に生成された説明

カナダドルの取引

カナダドルは世界で7番目に多く取引される通貨で、世界の市場取引量の5.1%を占めています(国際決済銀行による調査)。米ドル/カナダドル(カナダドルと米ドルのペア)は世界で6番目に取引されている通貨ペアです。このことは、流動性が十分あり、比較的取引コストが低く、取引執行の質がより高いことを意味します。

カナダは、経済において米国と密接な関係があります。つまり、トレーダーはカナダドルを通じて、世界最大の経済大国の主要な動きに間接的に投資することができるということです。また、カナダドルは原油市場に似た動きをすることもありますが、このような相関関係は時間の経過とともに変化するもので、通貨と商品価格の因果関係を意味しません。

一般に取引されるカナダドル(CAD)の通貨ペア

カナダドルを含む通貨ペアの特徴

カナダドルは、米ドルやユーロなどとのペアで取引されることの多い通貨です。それぞれの通貨ペアの特徴をしっかりと把握し、取引に活かしましょう。

米ドル/カナダドル(USD/CAD)の特徴

米ドル/カナダドルは前述した通り、米国とカナダが経済的に強く結びついているため、お互いに影響を与えあう傾向があります。つまり、大きな視点で見ればレンジ相場になりやすいといえるのです。

加えて、カナダは原油や天然ガス、ウランなど資源に恵まれており、資源価格に連動する傾向があります。さらに、自動車産業も盛んであることから、世界的に自動車産業が好調な時には、カナダ経済がその恩恵を受けてカナダドルも上昇しやすいです。

米ドル/カナダドル(USD/CAD)の10年間のレート推移

image3.png

米ドル/カナダドルは2015年に大きく上昇し、その後は長期的に見るとレンジ相場になっていることが分かります。

ユーロ/カナダドル(EUR/CAD)の特徴

ユーロ/カナダドルを取引する場合、カナダドルの特徴だけでなく、ユーロ圏のGDPやインフレ率などの経済指標のデータもチェックする必要があります。特に、ユーロ圏とカナダの経済が相反する方向に動いている場合、ユーロ/カナダドルの値動きはより顕著になることがあります。

また、ユーロ圏は多くの国々で構成されていますが、ユーロ圏の国の一つで政治的な危機が生じた場合、ユーロに対する信頼が低下し、ユーロ/カナダドルは下落する可能性があります。

カナダドルの特徴に関するよくある質問

この項目では、カナダドルの特徴に関する知っておきたいことや注意しておきたいことをまとめてご紹介していきます。

カナダドルと米ドルには相関関係がありますか?

カナダと米国は経済的に強い結びつきがあり、相関関係があるといわれています。例えば、米国経済が良好で米ドルの価値が上昇している時は、カナダ経済もその影響で良好になり、結果的にカナダドルも上昇しやすいです。

ただし、相関関係はその時によって強まったり弱まったりすることには注意が必要です。

2024年の米ドル/カナダドルの見通しは?

2024年は米国とカナダともに、政策金利の引き下げに踏み切ると予想されています。ただし、カナダは積極的な移民受け入れ政策を実施しており、これによって成長期待が維持されると米国より引き下げ幅が狭くなり、米ドル/カナダドルの下落要因になりそうです。

カナダドルの買い時はいつですか?

カナダドルの買い時は原油価格が上昇した時や、GDPやインフレ率などの経済指標の結果が予想より高く、BOCの政策がタカ派になると見込まれる時などが挙げられます。

カナダドルが安くなる理由は何ですか?

カナダドルが安くなる理由は、原油価格の下落や、GDPやインフレ率などの経済指標の結果が予想より低かった時などが挙げられます。

カナダドルの見通しにウクライナ情勢は関係しますか?

ウクライナ情勢の緊迫化によって、資源価格が高騰した場合、天然資源が豊富なカナダの通貨であるカナダドルの上昇につながる可能性があります。

カナダの政策金利の見通しは?

2024年に、カナダは政策金利の引き下げに踏み切ると予想されています。

カナダドルと米ドルの値動きの違いは?

カナダ経済は資源に大きく依存しており、特に原油価格の変動がカナダドルに大きな影響を及ぼします。一方、米国経済は世界最大の経済であり、非常に多様化しています。また、各中央銀行の政策が異なる場合、カナダドルと米ドルの価値に差が生まれやすくなります。

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