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原油・天然ガス価格の11月見通し:正念場。OPECプラス会合が開催

原油・天然ガス価格の11月見通し:正念場。OPECプラス会合が開催

木全哲也, ストラテジスト

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このページの内容

10月は、中東情勢が緊迫化する中、原油価格や天然ガス価格は乱高下した。11月は原油価格は原油価格にとって重要なOPECプラスが会合され、天然ガス価格は4月からの上昇トレンドが継続できるかの正念場である。このような中、原油および天然ガス価格の11月の見通しとは

サマリー

  • 10月の原油・天然ガス価格振り返り
  • 原油・天然ガス先物のヘッジファンド動向
  • 原油&天然ガス価格の11月見通し
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10月の原油・天然ガス価格振り返り

中東情勢が緊迫化する中、投資家のリスクセンチメントが悪化した。イランがハマスを支援し、米国がイランの原油供給に対する制裁を課すとの思惑が高まった結果、一時原油価格が上昇する局面があったものの、10月月間では下落した。

 

米国長期金利が2007年以来の5%台まで一時上昇したことなどを背景に、世界的な景気減速懸念が強まり、原油に対する需要が減るとの思惑が原油価格の下落圧力となった。

 

一方、天然ガス価格は上昇した。米国の気温が事前の予想より低くなり、需要が増大するとの思惑に加え、中東情勢の悪化によりイスラエルの大型ガス田の操業が停止し、天然ガス供給が減少するとの見方などから、天然ガス価格は上昇した。

A graph with red and blue bars  Description automatically generated

資料:Trading EconomicsよりDaily FXが作成。CRBは幅広い商品から構成された商品先物指数であり、商品価格全般の動向を示す。

 

原油価格は、中東情勢に加え、11月26日に開催されるOPECプラス会合の影響を強く受けよう。OPECプラスは11月会合にて、2024年の原油供給の方針について検討する。夏以降の原油価格は、サウジやロシアを中心としたOPECプラスによる原油供給の制限が価格上昇に繋がっている。OPECプラス会合にて、年末まで実施する見込みのサウジとロシアの原油の供給削減策について、今後の方向性が示される可能性がある。年末以降の制限策の解除・縮小が示唆された場合、原油の供給増との思惑から原油価格が下落する可能性がある。このような中、原油・天然ガス価格のヘッジファンドのポジション動向、そして原油・天然ガス価格の11月の見通しとは。詳しく見てみたい。

 

原油・天然ガスのヘッジファンドポジション動向

原油価格動向に敏感なヘッジファンド等(投機筋)は、原油先物のロングポジション(原油先物の買い持ち)を削減している。これは、ヘッジファンドが原油価格に対して強気から中立、もしくは弱気に転じつつあることを示している。ただし、足元のネットロングのポジションは過去平均に近い水準であり、ヘッジファンドのポジション動向は、原油価格にとって中立である。

 

天然ガス先物のショートポジションをヘッジファンド等(投機筋)は、春先以降削減し、天然ガス価格の上昇圧力となってきた。依然としてショートポジションであるものの、過去平均並みの水準であり、ヘッジファンドのポジション動向は、天然ガス価格にとって中立である。

原油および天然ガス先物のヘッジファンドポジション

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資料:BloombergよりDailyFXが作成。

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原油価格見通し

WTI原油価格は、週足チャートで、上昇トレンドの転換を示唆する「同時線」が示現後、下落基調に転じている。また、週足チャートで、MACDラインがシグナルラインを下抜け、原油価格に弱気の「デッドクロス」が示現している。テクニカル面では、原油価格に弱気シグナルが点灯している。

 

ヘッジファンドのポジションは中立であるものの、テクニカル面の弱気シグナルが点灯し、原油価格にとって逆風となる米国金利が高止まりする中、原油価格の更なる下落を見込む。原油価格は心理的節目である80ドル(1バレル)を下方ブレイクすると、6月26日の週から9月25日の週にかけての値動きに基づいたフィボナッチリトレースメント61.8%水準77.75ドルへの下落が視野に入る。

 

ただし、OPECプラス会合や中東情勢の緊迫化に伴い、原油供給が減少するとの見方が強まった場合、原油価格が上昇する可能性がある。その場合、フィボナッチ38.2%水準84.33ドルがレジスタンスとして機能するかに注目。原油価格が上方ブレイクに失敗した場合、原油価格の上値が重いことを投資家に印象付け、原油価格の下落圧力が強まることを見込む。

WTI原油価格週足チャート

A graph of a stock market  Description automatically generated

資料:Trading View

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天然ガス価格見通し

天然ガス価格(NG1)は、週足チャートで、4月以降、連続した高値・安値が切り上がっており、上昇圧力が強まっている(ダウ理論)。また、レジスタンスであった50期間指数移動平均線を終値ベースで上方ブレイクし、上昇圧力が強まっている。

 

ヘッジファンドポジションは中立であるものの、テクニカル面で強気シグナルが点灯している中、天然ガス価格の更なる上昇を見込む。天然ガス価格が、現在3.846ドルにある200期間移動平均線を上方ブレイクできるかに注目。ブレイクに成功した場合、天然ガス価格の上昇圧力が一段と強まり、心理的節目である4.0ドルが視野に入る。

 

天然ガス価格が下落した局面では、2月27日の週の高値3.027ドルでサポートされるかに注目。サポートされた場合、天然ガス価格の上昇トレンドが継続していることを投資家に印象付けよう。

天然ガス価格(NG1)週足チャート

A graph with different colored lines and arrows  Description automatically generated with medium confidence

資料:Trading View

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--- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著

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