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原油・天然ガス価格10月見通し:原油、挑む

原油・天然ガス価格10月見通し:原油、挑む

木全哲也, ストラテジスト

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このページの内容

FOMCを受けたFRBの金融政策に対する不透明感の高まりが、9月の資源価格市場の重荷となった。そのような中、供給リスクが高まった原油価格のみ大幅上昇となった。注目のOPECプラス会合、FRBの金融政策不透明感など様々な要因が交錯する中、WTI原油、そして天然ガス価格の今後の見通しとは

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サマリー

  • 9月の原油・天然ガス価格振り返り
  • 原油・天然ガスの個人トレーダー、ヘッジファンド動向
  • 原油&天然ガス価格の今後の見通し

9月の原油・天然ガス価格振り返り

日米欧を含めた多くの中央銀行が金融政策決定会合を開催した。特に、FRB(米連邦準備制度理事会)を巡る金融政策不透明感が高まった。FOMC(米連邦公開市場委員会)では、FRBが政策金利を「より高く、より長く」する方針であることが明らかになった。

 

FOMCを受け原油価格に逆風となる米国金利が上昇したものの、9月を通して原油価格は大幅に上昇した。サウジが原油の自主減産を年末まで延長したことや、ロシアの原油の輸出制限などを背景に、原油の供給リスクが高まったことを受け、原油価格は上昇した。

 

世界のLNG輸出の5%以上を占めるオーストラリアの施設におけるストライキを受け、天然ガス価格が上昇する局面があったものの、米国金利の上昇や欧州での天然ガスの高い貯蔵率などを背景に、月間で下落した。同施設でのストは、政府機関が仲裁し、終結した。

 

9月は原油の独歩高となり、他の商品は下落した一カ月であった。このことは、世界景気の回復によって資源需要が高まるとの需要増の期待から原油価格が上昇したのではなく、原油供給リスクから原油価格が上昇したことを示している。

A graph with red and blue bars  Description automatically generated

資料:Trading EconomicsよりDaily FXが作成。9月29日時点。CRB指数は幅広い商品から構成された商品先物指数であり、商品価格全般の動向を示す。

 

原油価格の焦点は、FRBの金融政策に加え、10月4日に開催されるOPECプラス会合に注目である。OPECプラスにて、原油の需給が一段と引き締まるような供給制限策が示された場合、原油価格は一段と上昇し、心理的節目である100ドルを突破する可能性がある。一方、足元の原油価格の上昇は、世界景気の回復に伴う需要増に起因していないことから、原油の供給リスクが一段と強まらない限り、原油価格の上昇の勢いが衰える可能性がある。

 

原油の個人トレーダーセンチメント

IG顧客センチメント(IGCS)によると、原油を取引する個人トレーダーの約39%がネットロング(原油を買い持ち、原油価格に強気)にしている。半分以上の持ち高はネットショート(原油に弱気)に傾いているため、IGCSは逆張り指標として機能することを勘案すると、原油価格は上昇する可能性がある。

 

しかしながら、昨日、先週と比べてネットショート(原油に弱気)のトレーダーの割合が減少している。このことを考えると、個人トレーダーセンチメントは原油価格が下落することを示唆している。

IGCS:原油

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原油 – 米国原油 クライアントのポジション動向

資料:IG顧客センチメント

 

原油・天然ガスのヘッジファンドポジション動向

原油・天然ガス価格動向に敏感なヘッジファンド等(投機筋)は、原油先物のロングポジション(原油先物の買い持ち)を積み増し、天然ガス先物のショートポジション(天然ガス先物の売り持ち)を削減している。原油および天然ガス価格の見通しに一段と強気、もしくは弱気から強気に転換しつつあることを示唆している。

 

ただし、原油先物のネットロングポジション(ロング―ショート)は過去と比べて低水準であり、天然ガス先物のネットショートポジションは依然として高水準である。このことは、原油や天然ガス先物のロングポジションを一段と積み増し(もしくはショートポジションを削減)、価格の上昇要因となる可能性がある。

image3.png

資料:BloombergよりDailyFXが作成。

 

原油価格見通し

WTI原油 混合
データ提供:
の顧客はネットロングです。 の顧客はネットショートです。
変動 ロング ショート 建玉
日次 7% -15% -3%
週次 -3% 4% 0%
プライスアクションとの関連性
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WTI原油価格は、週足チャートで、20期間指数移動平均線が50期間指数移動平均線を上抜け、原油価格に強気の「ゴールデンクロス」が示現している。RSIは引き続き50を超えており、原油価格に強気のモメンタムを示しており、テクニカル面では原油価格に強気シグナルが点灯している。

 

ヘッジファンドのポジションやテクニカル面のシグナルは原油高を示唆している一方、個人トレーダーセンチメントや足元の原油高が需要増を伴っていないことを勘案すると、原油価格は上下双方に動く展開を想定したい。

 

OPECプラス会合にて引き続き原油の供給減との見方が強まった場合、原油価格の一段高を見込む。その場合、原油価格は100ドルの心理的節目を突破し、2022年6月13日の週から2023年3月20日にかけての原油価格の値動きに基づいたフィボナッチリトレースメント38.2%水準101.02ドルが視野に入る。

 

一方、OPECプラスにて更なる原油供給制限策が示されなかった場合や、産油国が増産するとの見方が強まった場合、原油価格が下落する可能性がある。その場合、フィボナッチ61.8%水準87.04ドルでサポートされるかに注目。下方ブレイクすると、7月以降の原油価格の上昇トレンドが終了した可能性がある。

WTI原油価格週足チャート

A graph of stock market  Description automatically generated

資料:Trading View

 

天然ガス価格見通し

天然ガス価格(NG1)は、週足チャートで、6月以降、2.425―3.027レベル(MMBtu当たり)のレンジで推移している。しかしながら、RSIは緩やかに上昇しており、天然ガスに強気のモメンタムであることを示す50超えに転換した。MACDラインも引き続き上向き、かつシグナルラインを上回っている。天然ガス価格のレンジ相場続いているものの、強気シグナルが点灯しつつある。

 

FRBの金融政策不透明感は引き続き重荷であるものの、レンジ上限3.027レベルを上方ブレイクした場合、天然ガス価格の上昇トレンドへの転換の可能性が高まる。その場合、2022年11月21日の週から2023年2月21日の週の天然ガスの値動きに基づいたフィボナッチリトレースメント23.6%水準3.297レベルが視野に入る。

 

一方、天然ガス価格が下落した場合は、引き続きレンジの下限2.425レベルでサポートされるかに注目。サポートされた場合、天然ガス価格は、レンジ上限3.027レベルへ向かって再度上昇することを見込む。

天然ガス価格(NG1)週足チャート

A screen shot of a graph  Description automatically generated

資料:Trading View

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--- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著

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