OPECプラス会合では、自主減産が6月末から9月末まで延長されることが決定。市場では、年末まで延長されるとの見方が優勢であった。OPECプラス会合を終えた原油価格の見通しとは。テクニカル面でも注目すべき動きが見られる。
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【原油価格のターゲット】
上値：77.61ドル
下値：75.00ドル
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OPECプラス、減産延長
WTI原油価格は、5月に6％下落、2カ月連続で下落した。米国でドライブシーズンが本格化する中、ガソリン在庫の減少が進まなかったことや、6月2日に開催されたOPECプラス会合を控えた不透明感が、原油価格を押し下げた。
ガソリンは原油を精製して作られるため、ガソリン在庫が減少すると、原油の将来的な需要に繋がる。ガソリン価格は、在庫増加を受け、原油価格以上に下落した。
OPECプラス会合では
・2024年末の予定であった協調減産を2025年末まで延長
・6月末の予定であった自主減産（サウジなど有志8か国が実施）を9月末まで延長、その後は段階的に縮小
といった決定が下された。強制力の強いOPECプラス全体での減産となる協調減産が2025年末まで延長されたことはサプライズであった。しかしながら、協調減産に加えて、各国に減産の裁量を委ねる自主減産は、6月末からの延長は予想通りであったものの、9月末までと短期間の延長にとどまり、その後は減産幅を段階的に縮小していくことは、一部の市場参加者の予想を下回るものであった。
自主減産幅の9月末以降段階的に縮小していくことを嫌気し、原油価格は下落している。
資料：BloombergよりDailyFXが作成。
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WTI原油価格の見通し
WTI原油価格（1バレル）は、5月以降のレンジの下限77.61ドルを再び下方ブレイクしている。RSIも50を下回り、原油価格のモメンタムが弱気であることを示している。
テクニカル面で弱気シグナルが点灯し、OPECプラス会合の結果も原油価格の需給を引き締める内容ではなかったことから、原油価格の下落を見込む。原油価格は、心理的節目である75ドルへの下落が視野に入る。
一方、原油価格が反発した局面では、レンジの下限であった77.61ドルがレジスタンス転換しているかに注目。レジスタンスとして機能した場合、原油価格の地合いが弱いことを投資家に印象付けよう。
【原油価格のターゲット】
上値：77.61ドル
下値：75.00ドル
WTI原油価格日足チャート
資料：TradingView
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著
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