WTI原油価格は、0.8%上昇。80ドル台に迫っている。原油在庫の減少が価格を押し上げ。一方、ガソリン在庫に注目すべき動きが。原油価格の今後の見通しとは。
【原油価格のターゲット】
上値①:80ドル
上値②:81.43
下値:77.61ドル
原油上昇
WTI原油価格は、0.8%上昇した。米国原油の週間在庫が米国エネルギー省より公表され、在庫が減少、需給が引き締まるとの思惑が原油価格を押し上げた。前日に公表されていた米国石油協会のデータからは、原油在庫が増加するとの懸念が高まっていた。
FRB(米国連邦準備制度理事会)高官の利下げに消極的な発言を受け、米国金利が上昇する中、多くの商品が下落しており、原油価格は主要商品の中で上昇率トップであった。
資料:BloombergよりDailyFXが作成
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原油在庫の減少
米国の原油在庫の増加に歯止めが掛かったことは、原油の需給面でポジティブな一方、ガソリン在庫が増加した。ガソリンは原油を精製して作られることから、ガソリン在庫の増加は、将来的な原油需要の後退を示唆する。
ドライブシーズンが迫る中、温暖な気候などを背景にガソリン在庫が減少傾向であったが、2週連続でガソリン在庫が増加した。ガソリン在庫が一段と増加した場合、将来的な原油需要が後退する可能性があり注目である。
資料:BloombergよりDailyFXが作成
WTI原油価格の見通し
WTI原油価格(1バレル)は、フィボナッチリトレースメント61.8%水準77.61ドルでサポートされ反発している。RSIは売られ過ぎを示唆する30近くまで一時低下した。一方、20日移動平均線が50日移動平均線を下抜け、原油価格に弱気の「デッドクロス」が成立している。
原油・ガソリン在庫の状況に加え、テクニカル面で強弱入り混じるシグナルが点灯する中、原油価格は上下双方に動く展開を想定したい。
原油価格が上昇した局面では、心理的節目である80ドルへの上昇が視野に入る。この水準を上方ブレイクすると、原油価格の上昇圧力が強まり、フィボナッチリトレースメント38.2%水準81.43ドルをトライしよう。
一方、原油価格が下落した局面では、フィボナッチ61.8%水準77.61ドルでサポートされるかに注目。この水準でサポートされ、上昇に転じた場合、下落トレンドからの反転を示唆する「ダブルボトム」パターン形成への道が開かれる。
【原油価格のターゲット】
上値①:80ドル
上値②:81.43
下値:77.61ドル
WTI原油価格日足チャート
資料:TradingView
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著