メイン コンテンツへスキップ
無料トレードガイド
購読する
Please try again
Select

ライブウェビナーイベント

0

経済指標カレンダー・イベント

0

通知を受け取る

ライブウェビナーイベント
経済指標カレンダー・イベント

もっと見る もっと見る
ユーロ週間見通し:米追加利上げ観測の後退受け、ユーロ持ち直す

ユーロ週間見通し:米追加利上げ観測の後退受け、ユーロ持ち直す

リチャード・スノー, ストラテジスト
原著者
居林有里, 翻訳・編集主幹
翻訳者

共有する:

このページの内容

※2023年11月6日16時37分更新

先週金曜に明らかになった米労働市場の軟化を受けて米追加利上げ観測が後退し、ドルは大幅下落。ユーロ/ドルは最もその恩恵を受けた通貨だった。

ユーロ相場見通し【無料】
ユーロ相場見通し【無料】
推薦者: リチャード・スノー
ユーロ相場見通し【無料】
ガイドを入手

ユーロ週間見通し:ユーロ/ドルは強気、ユーロ/円は中立

  • 米追加利上げ観測の後退を受けドルが下落。ユーロ/ドルはその恩恵を享受
  • 円買いドル売り介入の可能性が低下し、ユーロ/円は上昇
  • 今週のリスクイベント:ブラックアウト期間が終了し、FRBとECBのメンバーによる発言が注目される。今週はリスクにつながりそうな経済イベントは比較的少ない

このレポートの分析は、チャートパターンや主要なサポートとレジスタンスの水準を使っています。テクニカル分析に関するより詳細な情報については、学習コンテンツをご覧ください

米利上げサイクル終了観測がくすぶる中、ドルが下落し、ユーロ/ドルが恩恵を享受

2023年7-9月期(第3四半期)の米国内総生産(GDP)成長率が上振れたにもかかわらず、市場は米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げの可能性はほとんどゼロと見ている。それは、FRBが(米国債利回りの上昇を通じて)金融環境の引き締めを続けていると言及し続けていることと、先週金曜に米労働市場が軟化している兆しが見えたためだ。10月の米非農業部門雇用者数(NFP)は予想を下回った(18万増に対し15万人増)。さらに、失業率は3.9%とわずかに上昇し、平均時給は前年同月比だけでなく前月比でも低下した。

市場は現在、追加利上げの可能性は極めて低いと見ており、フェデラルファンド(FF)金利先物から示唆される政策金利(インプライド金利)を見ると、12月に利上げが実施される確率は4.3%となっている。ちなみに、わずか1カ月前にはこの数字は40%弱だった。

インプライド金利の推移(CMEグループによるフェドウォッチより)

チャート作成:リチャード・スノー、資料:TradingView

ユーロ/ドルは、NFP統計で米労働市場の減速が明らかになったことを受け、先週金曜(米国時間)に大きく上昇した。ユーロ/ドルは、直近で上昇チャネルを形成しているが、その下限を何度も割り込み、弱気相場の継続が示唆された。しかし、今回の米雇用統計発表後に米経済に対する市場の見方が変化したことにより、価格は現在、まさに同じチャネルの上限を試している。

週足の終値が1.0700を上回ると、1.0830とその手前に位置する200単純移動平均線(SMA)が意識される。しかし、この動きの大半はドルの下落によるものであり、中東情勢が緊迫化すれば、ドルが安全資産として買われ、ユーロの上値は抑えられる可能性がある。とはいえ、中東紛争を受けた資産の上昇の大半は金相場で観測されており、ドルは中東情勢の緊張にあまり反応していない。

チャート作成:リチャード・スノー、資料:TradingView

政府・日銀の為替介入観測が後退し、ユーロ/円は上昇

日本銀行が先月31日、+1.0%という10年物国債利回りの厳格な上限を撤廃した後、奇妙な展開でユーロ/円が上昇した。実際、円はG7(主要7カ国)の多くの通貨に対して下落しており、通常であれば日銀の決定は円高をもたらすはずだった。

日本国債利回りはすぐに上昇し、かつての上限であった1%を試す動きとなった。週明けにかけてやや後退したが、高水準は維持された。

日本10年国債利回り

チャート作成:リチャード・スノー、資料:TradingView

ユーロ/ドルは以前サポートとして機能した158.00で明けの明星を形成した後、週間高値付近で底固めの展開となった。明けの明星のチャートパターンは下降トレンドの底で出現し、大きな強気の動きで新しい上昇トレンドへの地盤が固まることを示すが、すでに強気な勢いの再開をも示唆しているようだ。価格は過去の高値159.76を上抜けており、そのまま週を終えそうな勢いだ。まだ買われ過ぎの領域には入っておらず、159.76を上回る水準を維持できれば、162.42に向かって上昇する強気の展開が予想される。

とはいえ、本レポートでユーロ見通しを中立としているのは、ユーロに強気材料がほとんど見当たらないからである。ユーロ圏全域で景気の先行きが不透明で、インフレ抑制には進展がみられることから、欧州中央銀行(ECB)に利上げを急ぐ様子はない。第3四半期(7-9月期)は、ユーロ圏諸国の景気鈍化が小幅にとどまり、ユーロは底堅く推移した。このような背景があることから、ユーロの強気な展開が続くかどうかは主に円安が進むかにかかっている。日銀はマイナス金利政策からの脱却という歴史的な政策転換に向けた基盤づくりを進めており、日本国債利回りの上昇とともに、市場がこれを織り込むのにそう時間はかからないだろう。

ユーロ/円 日足チャート

チャート作成:リチャード・スノー、資料:TradingView

トレードの損失に頭を悩ませているなら、正しい方向に一歩踏み出してみませんか? 当社の無料ガイド「成功するトレーダーの特徴」をダウンロードして、高い代償となるミスにつながる一般的な落とし穴を避けるための貴重なノウハウを会得してください。

成功するトレーダーの特長
成功するトレーダーの特長
推薦者: リチャード・スノー
成功するトレーダーの特長
ガイドを入手

今週の主なリスクイベント

今週はブラックアウト期間が終了するため、FRBを中心とした中央銀行の当局者による講演が目白押しだ。すでに著名なECBメンバーから発言はあったが、全体として、金融情勢は引き締まった状態を維持する必要があるとの声が多い。

注目すべきスピーカーにはクリスティーヌ・ラガルドECB総裁やパウエルFRB議長も含まれる。パウエル議長は、11月9日にパネル・ディスカッションに参加するが、そこでは米国経済の現状と見通しに関する発言が注目されそうだ。ドイツのインフレ指標は、欧州最大の経済大国であるドイツの物価水準が引き続き低下していることを示すだろう。ここには掲載されていないが、来週は、先週の日銀による金融政策決定会合の議事要旨も公表される。

DailyFXの経済指標カレンダーでは、リアルタイムで配信される経済指標データをカスタマイズし、絞り込むことができます。

--- DailyFX.com リチャード・スノー著

スノー氏に連絡するには、Twitterで @RichardSnowFX までお願いいたします。

DailyFX はグローバルなFXマーケットに影響を与えるトレンドのテクニカル分析とニュースを提供します。