※2024年3月1日14時56分更新
円相場は29日、神田真人財務官の円安けん制発言を受け上昇した。このレポートでは、ドル/円、ユーロ/円、英ポンド/円のポジションを持つうえで重要なリスク管理を念頭に、主要なレジスタンスとサポートレベルを含めたテクニカル分析見通しについて解説する。
円相場見通し - ドル/円、ユーロ/円、英ポンド/円
- 神田財務官の円安けん制発言を受け、円は上昇
- しかし、日銀が金融緩和に積極的な姿勢を変えない限り、円の持続的な回復は実現しそうにない
- 本レポートでは、ドル/円、ユーロ/円、英ポンド/円のテクニカル分析見通しについて解説する
主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に出席している神田真人財務官は29日、為替の動向は「緊張感を持って見ている」とし、過度な変動については「適切に対応する用意がある」と語った。
神田財務官による口先介入は、日本政府が極端な円安を好ましくないと思っており、今年に入って主要通貨に対して6%超下落している円を支えるための為替介入を検討している可能性を示唆している。
日本の当局は29日の一時的な円上昇で安心するかもしれないが、日銀がマイナス金利を解除すると見られる今年後半までは、円相場が持続的に回復することはありそうもない。ただ、マイナス金利解除の時期はまだ流動的で、4月の金融政策決定会合で実現する可能性も否定はできない。
ファンダメンタルズ分析から焦点を移し、ここからはドル/円、ユーロ/円、英ポンド/円のテクニカル分析見通しについて解説する。今後数日間にサポートまたはレジスタンスとなり得る重要な水準について検証していく。
円が今後どのような展開を見せるのか気になりませんか?テクニカル・ファンダメンタルズ両面から分析した2024年第1四半期の円相場見通しの無料ダウンロードはこちらから↓
ドル/円見通し - テクニカル分析
ドル/円は29日に下落し、テクニカルサポート149.70を一時割り込んだ。この下方ブレイクが日足の終値で確認された場合、弱気派は148.90を目指して売りの勢いを強める可能性がある。このエリアを下回ると、100日単純移動平均線のわずかに上に位置する147.50へ向けて下落する可能性がある。
逆に、強気派が再び優勢を取り戻し、しっかりとした反発した場合、レジスタンスは150.85となろう。これをブレイクすると、強気の勢いが再燃し、152.00に向けて上昇する可能性があるため、トレーダーはこの強気の動きを注意深く観察することが肝要だ。
ドル/円 日足チャート
資料:TradingView
当社のセンチメントガイドを入手し、FXトレーダーのポジション状況がユーロ/円の短期的な方向性についてどのように影響するかを理解しましょう。無料ダウンロードはこちらから↓
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -1% | -4% | -3% |
週次 | -4% | -4% | -4% |
ユーロ/円見通し - テクニカル分析
ユーロ/円は29日に下落したものの、161.50のサポートをなんとか維持した。強気派はこの下値を断固として守らなければならない。維持できない場合は、センチメントに深刻なダメージを与え、160.40に向けて下降がエスカレートするかもしれない。さらなる下落局面では、159.85付近に位置する50日単純移動平均線に注目が集まる。
一方、価格が現在の水準で安定し、上昇に転じた場合、心理的水準164.00付近がレジスタンスとして待ち構えている。この壁を乗り越えれば、165.50まで一気に上昇幅を拡大する可能性がある。
ユーロ/円 日足チャート
資料:TradingView
取引での損失に失望していますか?当社の無料ガイド「成功するトレーダーの特長」で、よくある落とし穴や高くつくミスを回避するための知識を身につけ、戦略を改善しましょう。
英ポンド/円見通し - テクニカル分析
英ポンド/円は、29日に下落幅を拡大した。トレンドラインサポート190.20を下抜け、188.50のもう一つの重要なフロア(下限)に近づいた。強気派は、弱気の勢いを阻止するために188.50のラインを守る必要があり、このフロアを維持できなかった場合、186.35に位置する50日単純移動平均線に向けてさらに下落するリスクが高まる。
一方、価格が反発した場合は、190.20、次いで今週初めに更新した数年来の高値191.30がレジスタンスとなる。直近の値動きを見る限り、この壁を超えることは強気派にとって難しそうだが、ブレイクアウトに成功すれば、193.00の大台に向けて上昇が加速する可能性がある。
英ポンド/円 日足チャート
資料:TradingView
--- DailyFX.com マーケットストラテジスト ディエゴ・コルマン著
最新記事や学習コンテンツ、経済指標など、トレードに役立つ情報をX(@DailyFXJapan)やYouTubeは(デイリーFX公式チャンネル)でも配信中。今すぐチェック!