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円相場見通し 2024年第2四半期:苦境が続くものの先行きは明るい展開

円相場見通し 2024年第2四半期:苦境が続くものの先行きは明るい展開

ディエゴ・コルマン, ストラテジスト
原著者
DailyFXJapan, Research
翻訳者

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このページの内容

円相場は苦境が続きそうだが、先行きは明るい展開を予想する。本記事では、2024年第2四半期に向けた円相場のファンダメンタル分析による予測をストラテジストのディエゴ・コルマンが解説する。

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円相場の総括:第2四半期も苦境が続くと予想

2024年第1四半期は、日本と各国との金融政策の相違による円の弱さを反映する形で、対ドル、対ユーロ、対英ポンドで大幅な円安となった。米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行(BOE)といった主要な中央銀行が、インフレ抑制と物価の安定化を視野に、数十年来の高い水準で政策金利を維持する方針を取ったのに対し、日銀(日本銀行)は大規模金融緩和の方針を変えなかったことで、円と他の通貨との利回り格差が目立った。

下図は、ドル/円USD/JPY)やユーロ/円(EUR/JPY)、英ポンド/円(GBP/JPY)の年初来(3月21日現在)のパフォーマンスを示している。また、日本国債10年物利回りと、米国債10年物利回り、ユーロ圏国債10年物利回り、英国債10年物利回りとの差異が拡大していることも、円安の材料になっている。

円のパフォーマンスと利回り差(2024年第1四半期)

グラフ, ヒストグラム  自動的に生成された説明

出所:TradingView、チャート作成:ディエゴ・コルマン

日銀が方針転換でマイナス金利解除

状況が劇的に変化したのは第1四半期末だった。日銀が3月の金融政策決定会合で、実に17年ぶりに政策金利をマイナス0.10%から0.00%~0.10%へ引き上げるという歴史的な動きがあった。景気を刺激して日本人の「デフレマインド」を払拭する目的で長年実施されてきたマイナス金利政策は終わりを迎えた。また、今回の会合では、植田和男総裁が率いる日銀による、イールドカーブ・コントロール(長短金利操作)の終了と、上場投資信託(ETF)の買い入れ中止も決定された。

日本最大の労働組合である「連合」と大企業との春闘交渉が、過去30年超で最高となる5.2%を上回る賃上げで決着したことが、景気刺激策から撤退するという日銀の決定に影響している。そして、大幅な賃上げが持続的な経済成長を促し、堅調な内需が支える形で2%のインフレ目標を維持しつつ経済の好循環を生みだすというのが政策当局者の意図である。

円相場については、日銀の発表後の数日間は回復する兆しはほとんど見られず、日銀が方針転換したにもかかわらず円安が進行した。これには、市場関係者の間での日銀発表の受け止め方が影響している。具体的には、日銀のマイナス金利解除は「非常にハト派的な利上げ」であり、今後もしばらくの間は金融緩和時とさほど変わらない状態が続き、金融政策正常化のサイクルも非常にゆっくりとしたペースで進むという評価である。この理屈だと、日銀の決定後も各国と日本との利回りの差は縮小することなく、当面は格差が大きいままで推移することになる。

円相場の先行きは明るい

今後すぐに円高になることはないだろうが、第2四半期には円相場が強気に転じる兆しが見られるかもしれない。例えば、日銀が積極的な金融引き締めを実行すれば、円高の要因となり得る。3月の金融政策決定会合に関する日銀の発表内容は、追加の利上げ時期についての明確なガイダンスを示さない中立的なものだったが、次に利上げの可能性があるのは7月、あるいはさらに可能性が高いところでいうと、FRB、ECB、BOEの利下げが考えられるタイミングの10月である。

円相場が数年来の安値圏で低迷し、世界的に原油価格が上昇する中で、日本の総合インフレ率の伸びは2月に前年同月比2.8%に加速して23カ月連続でインフレ目標を上回ったが、今後も上振れしたまま推移する可能性がある。加えて、極端な円安を危惧する政府関係者が日銀による円高主導を強く望んでいることを考慮すると、早い段階での追加利上げの可能性が増してくる。円相場を見る限り、市場関係者はこうしたリスクを過小評価しているのではないだろうか。

日銀が市場関係者の予測よりも早い段階で、追加の利上げに踏み切る要因はまだある。報道によると、借入コストが再び上昇する前に銀行融資を受けるために、設備投資を前倒しする日本企業が数多くあるという。景気を取り巻く環境に重大な変化がなければ、こうした企業の動向が経済の循環を下支えし、今後数カ月間にディマンドプルインフレ(需要インフレ)を引き起こす可能性があり、ひいては追加利上げを支持する好材料になるだろう。

日本への資金回帰が進行中

日銀の超ハト派的で異例な金融政策に苦戦を強いられてきた日本の投資家は、近年、投資資金を海外へ向ける以外の選択肢がなく、より高い利回りを求めた結果、4兆ドルを超える資金が日本国外に流出した。日本の投資家にとっては海外の優良資産から得られる投資機会の方が魅力的なため、多額の為替ヘッジコストを差引いても、これが最良の選択肢となっていた。

日銀がようやく景気刺激策から撤退した一方で、今後の各国中央銀行の方針は金融緩和に向けてシフトする可能性が高いことから、近いうちに、日本の投資家が投資資金を海外から日本へ戻す動きが活発になり、円に対する需要も高まるだろう。もちろん、こうしたことが一夜にして実行されるわけではないが、数兆ドル規模の資金が流入すれば、円高への追い風となり、円が持続的に回復するための土台となるだろう。

ファンダメンタルズ分析による見通し まとめ

2024年第2四半期の円相場は安定して推移する見込みで、好転する可能性もある。この楽観的な見方は、日銀がマイナス金利から脱却したことによるものだけではない。各国の景気サイクルに着目すると、FRBやECB、BOEが金融緩和を実施する段階が間近に迫っており、このことも円にとっては好材料と言えそうだ。これを踏まえると、ドル/円、ユーロ/円、英ポンド/円は、今後数カ月で徐々に下落していく可能性がある。

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