※2024年6月24日16時16分更新
英国株式相場は、先週の欧州議会選挙の影響などで軟化したが、サマーラリーに向け再び上昇に向かうことができるだろうか?
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英国株は、欧州株安の影響から逃れられるか?
先週の欧州議会選挙の影響で下落した欧州株に足を引っ張られた英国の代表的な株価指数FTSE100は、欧州株式市場からの悪影響を払拭し、夏場の上昇に向け軌道修正できるだろうか?
イングランド銀行(BOE、中央銀行)が20日、金融政策委員会(MPC)で政策金利を5.25%に据え置いた後、英国の優良株価指数FTSE100は約1%高となった。2名の委員が25ベーシスポイントの利下げに賛成したものの、大半の委員(7名)は前回のMPC同様、金利据え置きを選択した。
議事要旨の中でBOEは、8月に発表する報告書「四半期経済予測」が今後の金利動向を決定するうえで重要な鍵を握ると指摘した。具体的には、アンドリュー・ベイリー総裁が「インフレが低水準にとどまることを確認する必要がある」と言及したように、インフレリスクがどの程度後退したかを評価するとしている。5月のサービス物価が5.7%と高水準だったにもかかわらず、こうしたリスクが低下し続ければ、次回8月のMPCで利下げを実施する可能性を示唆した。
英米のサービス物価比較チャート
資料:ブルームバーグ
上図を見ればわかるように、英国のサービス物価は、同じような状況に見舞われている米国よりもさらに高い。
金利市場は現在、インフレ圧力の緩和を受け、BOEが8月に利下げを実施する確率を45%程度と見積もっている。市場は、8月のMPCで、政策金利が8会合連続の据え置きとなるか、BOEは利下げに動くのかに大きな関心を持っている。9月に米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを実施する可能性は66%である。
MPCメンバーが見解を変更する場合、同じ方向に意見を揃える傾向がある。現在、英国金利据え置きと利下げに対する投票が7:2に分かれていることから、8月のMPCで利下げを支持するメンバーが一気に過半数に達する可能性は否定できない。特にBOEは、サービス物価は時間の経過とともに徐々に低下すると予想しており、2年後までのサービス物価に関して過度の懸念を抱いていないため、なおさらである。
FTSE100とFTSE250、その他の株価指数の比較
資料:グーグルファイナンス
投資家は今年、歴史的に割安な水準にあった英国株をこぞって買い入れた。ただFTSE100は5月に史上最高値を更新したにもかかわらず、英国の株価指数のパフォーマンスは他の株価指数を下回り続けている。FTSE250種株価指数は年初来で約5%、FTSE100種株価指数は7%上昇したが、それでもユーロストックス50の9%超、史上最高値圏での取引が続いているS&P500種株価指数やナスダック100指数のような2桁の上昇を示す米国株価指数には及ばない。
したがって、英国株式市場のパフォーマンスが他の欧州株式市場のパフォーマンスから切り離されることはなさそうだ。
英FTSE100は20日の上昇を維持できるか?
FTSE100種指数は20日に約1%上昇し、5月から6月にかけての下降トレンドラインを上回った。約2週間ぶりの高値8,288、6月7日の高値8,305に近づいている。これらの水準、そして理想的には6月初めの高値8,364を日足チャートの終値ベースで上回らない限り、サマーラリーは実現しないだろう。
S&P500種指数が5,500台、ナスダック100指数が20,000台と、大台の水準で推移しているため、それが心理的なレジスタンスとなり、米国株価指数は上昇の勢いを失う可能性がある。ダウ工業株30種平均株価が40,000台に乗せ、史上最高値を更新した後に天井をつけたのはわずか1カ月前のことだ。
このことを考えると、FTSE100種指数が直近の下落からさらに回復し、すぐに史上最高値を更新するのは難しいかもしれない。
とはいえ、8,155に位置する4月から6月にかけての上昇トレンドラインと、さらに重要な6月の安値8,111が下支えする限り、今後数週間は強気バイアスとなる可能性があるレンジ内での横ばい取引が続きそうだ。
FTSE100 日足チャート
資料:TradingView
一方、6月の安値8,111を割り込むと、4月初めの高値8,017と心理的水準8,000台が再び視野に入ることになる。
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