※2024年3月11日11時40分更新
金価格は最近、飛躍的な上昇を遂げている。米利下げ観測が維持されていることを支えに、この強気トレンドは継続する可能性が高そうだ。
金価格(XAU/USD)の分析とチャート
- 米金利市場は6月のFOMC会合での25ベーシスポイント利下げを完全に織り込んでいる
- 金相場は強気トレンドが続く可能性が高い
ここ最近の米連邦準備制度理事会(FRB)当局者の発言を受け、米金利市場は6月12日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)会合での25ベーシスポイント(bp)の利下げを完全に織り込んでいる。また、2024年の3回の利下げ(計75bp)についても完全に実施されると見ており、4回目の利下げの可能性もほぼ織り込み済みとなっている。FRBは議論を終え、いよいよ行動を開始する時が来たように見える。
来週は、12日(日本時間21:30)発表のインフレ率をはじめ、米国で重要な経済指標の発表がいくつかある。最新のFRB当局者の発言を鑑みると、FRBは現在のディスインフレ傾向に満足しているようで、前年同月比のインフレ率のいずれかが大きく上振れしない限り、FRBの利下げスケジュールを変更する、あるいは遅らせるのは難しいだろう。
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日足チャートを見ると、金価格は新たな領域に向かって上昇を続けている。商品チャネル指数(CCI)では金価格は買われ過ぎだが、日足のロウソク足は引き続き、強気を示している。過去6市場での取引では、金価格は前日の終値で始まってから着実に上昇しており、短期的な下げを狙う強気トレーダーが市場に参入するのが難しい状況だ。短期的には調整局面があるかもしれないが、今後数週間は上値を追う展開となる可能性が高そうだ。2,100ドル、その後は2,081ドル近辺に強固なサポートレベルが控えている。
金価格 日足チャート
資料:TradingView
個人トレーダーのポジション状況を示すIGクライアントセンチメント(IGCS)によると、金を取引するトレーダーの42.92%がネットロングで、ショートとロングの比率は1.33対1となっている。ネットロングのトレーダー数は昨日より2.18%少なく、先週より6.78%減っている。一方、ネットショートのトレーダー数は昨日より0.19%少なく、先週より45.36%増加している。
IGCSは通常、逆張り指標として機能する傾向があり、トレーダーがネットショートに傾いているということは、金価格が上昇し続ける可能性を示唆している。
このようなポジションの変動が金価格にどのような影響を与えるかをご覧ください。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -1% | 1% | 0% |
週次 | -7% | 7% | -2% |
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