金 (XAU/USD)、銀 (XAG/USD)の分析とチャート
先週の米国株式市場の活況、特にエヌビディアの盛り上がりを横目に、金と銀はマクロ経済関連の相場原動力を待つだけの傍観者となった。今週は金・銀相場を動かす可能性がある経済イベントが予定されており、特に水曜に発表される2023年10-12月期(第4四半期)の米国内総生産(GDP)、木曜発表の米個人消費支出(PCE)コア指数が貴金属の値動きを促す可能性が高い。
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ここ数週間の米連邦準備制度理事会(FRB)当局者の発言は、FRBが過度な利下げ観測を抑えることに重きが置かれていた。2023年末の時点では、市場は3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で最初の利下げが実施されるとして、今年の利下げ幅を約170ベーシスポイント(bp)と見積もっていた。FRBが主張した今年3回の利下げと下半期に初回という見方に市場は当初、利下げ幅が少なすぎ、時期は遅すぎと判断したが、FRBの粘り強さといくつかの有益なデータ発表により、市場はFRBの筋書き通りになびいた。最新の市場予想では、7月31日の会合での最初の利下げ実施が完全に織り込まれ、83bpの利下げが見込まれている。
積極的な利下げ予想の後退により、金価格の上値はやや重く、さらなる上昇が抑制されている。金価格は今年に入り100ドル前後下落しており、週足チャートでは下落トレンドが続いている。このトレンドを維持するには1,984ドルを割り込む必要がある。2,044ドルを上抜けると、2,070ドルが再び焦点となる。
個人トレーダーの動向がわかるIGクライアントセンチメント(IGCS)によると、金を取引するトレーダーの61.86%がネットロング(買い持ち)で、トレーダーのロングとショートの比率は1.62対1である。ネットロングのトレーダー数は昨日より2.27%多く、先週より16.48%少ない。ネットショートのトレーダー数は昨日より8.12%少なく、先週より13.21%多い。
IGCSは群集心理に対して逆張り的な見方を提供する傾向にあり、トレーダーがネットロングに傾いているということは、金価格が引き続き下落する可能性を示唆している。
銀価格はここ数カ月、20.76―26.13ドルのレンジにとどまっており、商品チャネル指数(CCI)は、買われ過ぎでも売られ過ぎでもない中立領域にあることを示している。現在のスポット価格は200日および50日単純移動平均線の下にあり、現20日移動平均線近辺で取引されている。短期の単純移動平均線を下方ブレイクすれば、22ドルが意識され、50日および200日単純移動平均線を上回れば目先のレジスタンス23.50ドルが視野に入る。
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