※2024年4月18日12時03分更新
日銀の手控え姿勢が幅広い通貨に対する円安を促しており、155円はもはや「砂上の楼閣」という説は崩れつつある。ドル/円は強気のフラッグが示現しており、英ポンド/円はダブルトップを上抜けるかが焦点。今後の円相場見通しを探る。
円の価格、チャート、分析
- ドル/円:155.00のブレイクは日銀を目覚めさせるか?
- 英ポンド/円:目先、高値更新か?
円相場の第2四半期予測ガイド:円を動かす主要な要因を専門家が解き明かします
日本銀行は、時折口先介入は行うものの、円相場が下がり続けるのを傍観することに違和感がないように見受けられる。ここ数週間、日銀は円安への懸念を表明し、市場の動きを注意深く見守っていると警告を発してきたが、円相場を支えるにはもはや言葉だけでは十分ではないようだ。ドル/円は史上最高値に近い水準で推移しており、英ポンド/円はテクニカル面から上値追いの展開となりそうだ。
155.00はドル/円にとって「砂上の楼閣」であり、日銀の反応を誘発するだろうというコンセンサス見解は、特にドルがこれまで以上に上昇するにつれて試されている。円安が続く一方で、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ観測が後退し、ドルはここ数日で急伸した。このタカ派的予想へのシフトにより、米国債利回りは数カ月ぶりの高水準まで上昇した。金利動向に敏感な米2年債利回りは16日に5%に達し、200日移動平均線をきれいに上抜けしたため、強気を示している。現在、強気のフラッグが形成されている可能性があり、トレーダーは今後数日間、この動きを監視する必要がある。
米2年債利回り 日足チャート
資料:TradingView
ドル/円の日足チャートでは、強気のフラッグが示現しており、円安ドル高が進み155.00を超える可能性を示唆している。前述したように、この水準は為替介入が実施されるレベルとなる可能性があるため、トレーダーは日銀の公式発表に関するニュースに注意する必要がある。もし日銀がドル/円の上昇を許せば、160.00が次のターゲットとなる。以前レジスタンスとして機能していた151.92は現在、最初のサポートレベルとなろう。
ドル/円 日足チャート
資料:TradingView
個人トレーダーのデータ(IGクライアントセンチメント)によると、ドル/円を取引するトレーダーの16.19%がネットロング(ドルを買い持ち)にしており、トレーダーのショートとロングの比率は5.18対1となっている。トレーダーのネットロング数は昨日より2.26%少なく、先週より6.04%多い。一方、トレーダーのネットショート数は昨日より3.74%多く、先週より2.22%少なくなっている。
IGクライアントセンチメント(IGCS)は逆張り指標として機能する傾向にあり、トレーダーがネットショートに傾いているという事実は、ドル/円相場が上昇を続ける可能性を示唆している。
最新のIGCSをダウンロードして、市場センチメントの日次および週次での変動が価格見通しにどのような影響を与えるかをご覧ください
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 9% | -2% | 0% |
週次 | 18% | 2% | 5% |
英ポンド/円は高値圏での安値切り上げが続いており、3月中旬から下旬のダブルトップの頂点である193.50付近を上抜ければ、高値の切り上げパターンが継続されるだろう。この水準より上では、2015年6月の高値195.88が視野に入ってくる。最初のサポートは191.00付近とみている。
英ポンド/円 日足チャート
資料:TradingView
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