NY金・銀価格は、年初来で大きく上昇しているが、4月以降、シルバーの上昇がゴールドを上回っている。金・銀の躍進は続くのか。テクニカル面を踏まえた金・銀価格の今後の見通しとは。
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【金価格のターゲット】
上値①:2,364ドル
上値②:2,400ドル
下値①:9日移動平均線(現在2,324ドル)
下値②:2,300ドル
【銀価格のターゲット】
上値①:29.02ドル
上値②:28.35ドル
下値①:27.91ドル
下値②:27.46ドル
金、銀年初来パフォーマンス
NY金スポット価格(ドル建)・銀スポット価格(ドル建)ともに、年初来で大きく上昇している。金は13%超、19%超上昇している。4月に入るまで金が銀を上回る上昇を示していたが、4月以降、銀価格が金を上回るパフォーマンスである。
金・銀ともに、中東情勢の緊迫化に伴う安全資産としての需要が価格を押し上げた。また、金利が付かない資産であるため、FRBの利下げ観測が高まった局面では、相対的な魅力度が高まり、金・銀価格をサポートした。くわえて、銀は産業用に用いられることが多いことから、底堅い米国経済、中国景気の回復の兆しなどを背景に、需要が高まるとの思惑なども銀価格の上昇圧力となった。
資料:BloombergよりDailyFXが作成。2023年末を100として指数化。
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NY金価格の見通し
NY金価格(スポット、ドル建)は、フィボナッチリトレースメント61.8%水準2,364ドルがレジスタンスとなり、反落した。一方、RSIは50以上を維持しており、金価格のモメンタムが強気であることを示している。
テクニカル面で強弱入り混じるシグナルが点灯しているものの、15日公表の米国CPI(消費者物価指数)が事前予想通りインフレ鈍化を示した場合、FRBの利下げ観測が高まり、金価格が上昇する展開を見込む。その場合、金価格は、フィボナッチリトレースメント61.8%水準2,364ドルへの上昇が視野に入る。終値ベースでこの水準を上方ブレイクすると、金価格は、心理的節目である2,400ドルをトライしよう。
一方、金価格が下落した局面では、9日移動平均線(現在2,324ドル)でサポートされるかに注目。サポートされた場合、金価格の地合いが強いことを投資家に印象付けよう。サポートされなかった場合、節目である2,300ドルへ下落する可能性がある。
【金価格のターゲット】
上値①:2,364ドル
上値②:2,400ドル
下値①:9日移動平均線(現在2,324ドル)
下値②:2,300ドル
NY金スポット価格(ドル建)日足チャート
資料:TradingView
NY銀価格の見通し
NY銀価格(スポット、ドル建て)は、フィボナッチリトレースメント61.8%水準28.35ドルがレジスタンスとなり反落している。一方、MACDラインがシグナルラインを上抜け、強気の「ゴールデンクロス」が成立している。
テクニカル面でやや強気シグナルが点灯する中、米国CPIが大幅に上ぶれない限り、銀価格が上昇する展開を見込む。銀価格はフィボナッチ61.8%水準28.35ドルを終値ベースで上方ブレイクすると、4月16日高値29.02ドルへの上昇が視野に入る。
一方、FRBの利下げ観測の後退などを背景に、銀価格が下落した局面では、4月12日~5月2日の下落の半値戻しの水準27.91ドルがサポート転換しているかに注目。サポートされなかった場合、次の下値としてフィボナッチ38.2%水準27.46ドルへの下落が視野に入る。
【銀価格のターゲット】
上値①:29.02ドル
上値②:28.35ドル
下値①:27.91ドル
下値②:27.46ドル
NY銀スポット価格(ドル建)日足チャート
資料:TradingView
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著