日経平均株価は、バブル期に記録した最高値を更新した。足元の日本株の上昇のけん引役は?日経平均株価、4万円の可能性は?株価収益率(PER)および一株当たり利益(EPS)からみる日経平均株価の今後の見通しとは。
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日経平均株価、史上最高値を更新
日経平均株価は、22日にバブル期の史上最高値(1989年12月末):3万9,098円を更新した。
2024年に入って、日経平均株価が急上昇している。セクター別では、年初来で全てのセクターが上昇している。特に、底堅い世界景気の影響を受けやすい商社や機械セクターが上昇をけん引している。
その他、日銀のマイナス金利政策の修正観測が高まる中、金融セクターも堅調に推移している。日銀のマイナス金利政策の解除は、貸出金利の上昇や債券投資による運用益の向上などを通じて、金融機関の収益にプラスに働く可能性がある。
資料:Trading ViewよりDailyFXが作成。
上昇は期待?それとも業績?
堅調に推移している日経平均株価であるが、日経平均を業績(一株当たり利益、EPS)と期待(株価収益率、PER)に分けることで、足元の上昇に関して新たな知見を与えてくれる。
2023年末と比べ、日経平均株価は約17%上昇している(33,464円⇒39,245円)。業績に相当するEPSは 約1.2%(1744円⇒1765円)の上昇にとどまっている。一方、期待に相当するPERは19.2倍から22.2倍に急上昇している。日経平均の上昇の大半が、業績ではなく、期待に相当するPERの上昇に起因している。
資料:BloombergよりDailyFXが作成。
今後の日経平均の鍵は「業績」が握る
PERは過去と比べて高い水準まで上昇している。また、株式投資の代表格である米S&P500指数と比べても、足元のPERの上昇ピッチは早く、短期的には一段とPERが上昇する余地は限定的とみる。
資料:BloombergよりDailyFXが作成。
期待(PER)が急速に盛り上がっていることの反動から、短期的に日経平均株価が下落する可能性がある。しかしながら、中長期的には、業績面、EPSが切り上がることで、日経平均の一段高が見込める。
PERの一段の上昇が見込みづらい中、今後の日経平均株価は、企業の業績、EPSが鍵を握っているとみる。
仮にPERは変わらず、EPSが5%上昇した場合、日経平均は心理的節目である4万円を超え、4.1万円まで上昇することが可能である。
EPSが5%伸びた場合の日経平均株価
資料:各種資料をもとにDailyFXが資産。
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著