エヌビディアが決算を発表し、高まっていた期待を更に上回る好業績を示した。今後についても力強い見通しを示しており、AIに対する期待を一段と高める企業決算となった。NVIDIA決算を経たナスダック100指数の今後の見通しとは。
エヌビディア決算の結果:売上高
注目のエヌビディア(NVDA)の決算は、既に高まっていた期待を更に上回る好決算を示した。第4四半期の売上高は、221億ドルと200億ドルの大台に到達した。事前の市場予想である204億ドルを大きく上回った。
注目の次の第一四半期の売上高見通しは、240億ドル±2%と、予想の219億ドル、そして一部の強気アナリストの230億ドルを大きく上回る見通しを示した。
資料:BloombergよりDailyFXが作成。予想値はBloomberg集計値。
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エヌビディア決算の結果:データセンター向け
エヌビディアの売上事業の8割を超える中核事業であるデータセンター向けの売上高も市場予想を大きく上回る結果であった。生成AI(人工知能)、そして生成AI活用のためのデーターセンター向けの同社のGPUの需要が急増していることを示す結果となった。データセンター向けの売上高は、予想の172億ドルを大きく上回る184億ドルであった。
資料:BloombergよりDailyFXが作成。予想値はBloomberg集計値。
AI向けのGPU市場でほぼ独占状態であるエヌビディアであるが、調整後粗利益率は76.7%と驚異的な高利益率である。また、次世代製品に対する需要が供給をはるかに上回っているとの見通しを示しており、同社の好業績が継続することが見込まれる。
エヌビディア、AIに対する期待が急激に高まっていたことから、予想を上回る業績発表を示すハードルは高くなっていた。しかしながら、高い期待値を更に上回る業績(見通し)を示したことで、投資家のエヌビディア、AIに対する期待値は一段と高まろう。
エヌビディアの好業績は、構成比率で第4位であるナスダック100に対して、力強い押し上げ材料となることが見込まれる。
ナスダック100指数の見通し
ナスダック100指数は、MACDラインがシグナルラインを下回っており、下落トレンドを示唆している。
テクニカル面では、弱気シグナルが点灯している中、1月5日から2月12日にかけてのナスダック100の値動きに基づいたフィボナッチリトレースメント38.2%水準17,357レベルでサポートされるかに注目。
この水準でサポートされた場合、不透明感が高まっていたエヌビディアの決算が期待を上回った中、ナスダック100が再度上昇する展開を見込む。
ナスダック100は、2月12日高値18,041レベルへの上昇が視野に入る。この水準を上方ブレイクした場合、ナスダック100の上昇圧力が一段と高まる可能性がある。
フィボナッチ38.2%水準17,537レベルでサポートされなかった場合、ナスダック100の調整が続く可能性がある。しかしながら、エヌビディア決算にてAI需要の高まりが一段と示された中、ナスダック100の下落余地は限定的であり、1月31日安値17,129レベルでサポートされることを見込む。
ナスダック100指数日足チャート
資料:Trading View
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著