NY金価格は3週続落。週間で1.4%下落。強い米国雇用統計がゴールドを下押し。今週は米国CPI、そしてFOMCが開催。重要イベントを控える中、金価格の今後の見通しとは。
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【金価格のターゲット】
上値①:2,300ドル
上値②:2,325ドル
下値:2,277ドル
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金週間下落
NY金スポット(ドル建、XAU)は、週間で1.4%下落した。強い米国雇用統計を受け、FRB(米国連邦準備制度理事会)の利下げ観測が後退したことなどが金価格を押し下げた。史上最高値を更新後、金価格は3週連続で下落している。
今週は、米国FOMC(連邦公開市場委員会)、そして米国CPI(消費者物価指数)が発表される。FRBの利下げ観測が大きく動き、金価格に影響する可能性があり注目である。
資料:BloombergよりDailyFXが作成。
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CPI、FOMC
5月分の米国CPIが12日に公表される。事前予想では、全体の前年比の伸びは4月と同じ、基調的インフレ圧力を示すコアインフレ率の伸びは小幅に減速する見込みである。
強い米国雇用統計を受け、金融市場参加者はFRBが年内利下げを実施できるか、疑心暗鬼になっている。インフレ鈍化を示すのか、それともインフレ高止まりを示すかによって、FRBの利下げ観測が大きく変動、金価格にも大きく影響を与えることが見込まれる。
米国CPI予想値
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FOMCの結果が13日に公表される。今回の会合では、政策金利を据え置くことが見込まれている。金融市場では、年内1.5回弱の利下げ実施が予想されている。注目はFOMCメンバーが予想する政策金利の見通し「ドットチャート」である。FOMCが3月に示した見通しでは、年内3回の利下げを示していたが、どの程度利下げ見通しを後退させるかに注目である。
資料:BloombergよりDailyFXが作成。
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NY金価格の見通し
NY金スポット価格(ドル建)は、5月後半以降のレンジの上限2,364ドルを一時上方ブレイクし、上昇圧力が高まったと見ていた。しかしながら、強い米国雇用統計を受け、金価格が急落し、レンジの下限2,325ドル、心理的節目である2,300ドルを下方ブレイクし、下落トレンドへ急転換している。RSIも50を下回り、金価格が弱気のモメンタムであることを示している。
テクニカル面で弱気シグナルが点灯し、米国CPIやFOMCといった重要イベントを控える中、金価格の上値が重い展開を想定する。金価格は、5月3日安値2,277ドルへの下落が視野に入る。この水準でサポートされなかった場合、金価格の下落圧力が一段と強まる可能性がある。
一方、金価格が反発した局面では、終値ベースで2,300ドルを上方ブレイクできるかに注目。ブレイクに失敗した場合、金価格の上値が重いことを、投資家に印象付けよう。ブレイクに成功した場合、次の上値として2,325ドルへの上昇が視野に入る。
【金価格のターゲット】
上値①:2,300ドル
上値②:2,325ドル
下値:2,277ドル
NY金スポット価格(ドル建)日足チャート
資料:TradingView
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著