NY金価格は、3日ぶりに下落。FRBの金融政策、米国金利と、金価格の関係に注目すべき動きが。金価格の今後の見通しとは。
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【金価格のターゲット】
上値：2,400ドル
下値：2,364ドル
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金下落
NY金スポット価格（ドル建）は、3日ぶりに反落した。2,400ドルが目前に迫った高値警戒感や、米国金利上昇が金価格の下落圧力となった。
金利が付かない金は、米国金利が上昇すると、相対的な魅力度が低下し、金価格の下落圧力となる。
金価格は、0.4％下落し、銀、プラチナ、パラジウムなどの他の貴金属も下落した。
資料：BloombergよりDailyFXが作成。
金価格とFRB
米国金利の動向には、FRB（米国連邦準備制度理事会）の金融政策の影響が大きい。FRBが高い政策金利を長期間維持するとの思惑が高まった場合、米国金利が上昇する傾向がある。一方、FRBの利下げ観測が強まった場合、米国金利が低下する傾向がある。
米国金利は、金価格の動きに強く影響するため、通常、米国金利と金価格は連動して動いている（米国金利が上昇すると金価格が下落）。
しかしながら、3月末から4月末にかけて、通常と異なり、FRBの利下げ観測が後退、米国金利が上昇する中でも、金価格が上昇していた。中東情勢の緊迫化や、不動産神話が崩壊し、安全資産を求める中国による金買いなどが金価格を押し上げた。
5月に入り、通常通り、米国金利が低下すると、金価格が上昇している。4月に見られた米国金利と金価格の特異な関係が終了したことを示唆しており、米国金利の動向が、従来同様、金価格にとって重要になったことを示している。
米国インフレの鈍化や、雇用市場の調整を示すような経済データが示された場合、FRBの利下げ織り込みが進展し、金価格が上昇することが見込まれ、経済データの重要性が一段と高まっている。
金価格と米国金利
資料：TradingView
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NY金価格の見通し
NY金価格（スポット、ドル建）は、3日ぶりに反落したものの、フィボナッチリトレースメント61.8％水準2,364ドルを上回っており、金価格の地合いが強まっている可能性がある。また、RSIは50を依然として上回っており、金価格のモメンタムが強気であることを示唆している。
テクニカル面で強気シグナルが点灯し、5月に入り、FRBの利下げ織り込みが進展している中、金価格の上昇を見込む。金価格は、心理的節目である2,400ドルへの上昇が視野に入る。2,400ドルを終値ベースでブレイクすると、史上最高値（2,432ドル）更新の可能性が高まる。
金価格が下落した局面では、フィボナッチ61.8％水準2,364ドルでサポートされるかに注目。サポートされた場合、金価格の上昇圧力が強いことを投資家に印象付けよう。
【金価格のターゲット】
上値：2,400ドル
下値：2,364ドル
NY金スポット価格（ドル建）日足チャート
資料：TradingView
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著
