NY金価格は、6週ぶりに下落。金価格にとって重要なFOMCの開催が迫る。テクニカル面で注目すべき動きが見られ、重要イベントを控える中、金価格の今後の見通しとは。
【関連記事】NY金、1.5%上昇、2300ドルへ復帰。中国の動き。金価格の今後の見通し(2024年5月2日公開)
【関連記事】NY金、3カ月続伸、12%の大幅上昇。FRBの不安。金価格の見通し(2024年5月1日公開)
【金価格のターゲット】
上値:20日移動平均線(現在2,343ドル)
下値:2,300ドル
金、週間下落
NY金スポット価格(ドル建)は、週間で2%強と、6週ぶりに下落した。イスラエルとイランの情勢が一段と悪化していないことなどが、金の安全資産としての需要を後退させ、金価格を押し下げた。
加えて、米国金利が上昇したことも、金利の付かない金にとって重荷となった。米国金利にとって重要なFOMC(米国連邦公開市場委員会)が4月30日~5月1日に開催される。
資料:BloombergよりDailyFXが作成。
商品取引についての全てが詰まった商品パーフェクトガイドを入手したいですか?以下のバナーから無料で入手してください。
FOMC
金融市場では、年内1回強の利下げまで織り込みが後退している。2023年末時点では、2024年に6回の利下げが、金融市場にて予想されていた。また、3月FOMCでは、年内3回の利下げ見通しが示されたことと比べ、少ない利下げ織り込みになっている。
しかしながら、サービスを中心にインフレが高止まりする中、FRB(米国連邦準備制度理事会)高官からも利下げに慎重な発言が相次いでおり、今回のFOMCでは、利下げに対して慎重なアプローチを取ることを示唆する模様である。
そのため、利下げ織り込みが進展する余地は乏しく、米国金利が高止まりすることが見込まれ、金価格にとっては中立~マイナスと予想する。
資料:BloombergよりDailyFXが作成。
NY金価格の見通し
NY金価格(スポット、ドル建)は、20日移動平均線がレジスタンスとして機能しており、上値が重くなっている。また、9日移動平均線が20日移動平均線を下抜け、金価格に弱気の「デッドクロス」が示現している。
テクニカル面で弱気シグナルが点灯し、FOMCを控えてFRBの金融政策不透明感が漂う中、金価格の下落を見込む。金価格は、心理的節目である2,300ドルへの下落が視野に入る。
一方、リスクとして中東情勢があげられる。中東情勢が緊迫化した場合、安全資産としての需要から金価格が上昇する可能性がある。その場合、金価格は、20日移動平均線(現在2,343ドル)を上方ブレイクできるかに注目。上方ブレイクした場合、金価格の弱気シグナルが一つ解消し、上昇圧力が強まる可能性がある。
【金価格のターゲット】
上値:20日移動平均線(現在2,343ドル)
下値:2,300ドル
NY金スポット価格(ドル建)日足チャート
資料:TradingView
トレードの基礎知識
コモディティ取引の基本
推薦者: 木全哲也
トレードに役立つ情報を、X(@Tetsuya_DailyFX) で配信中。
また、デイリーFXのXやYouTubeにて、経済指標や学習コンテンツなどを配信中。今すぐチェック!
-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著