NY金スポット価格は、再び史上最高値を更新。4月に入り、ゴールドは6%超上昇、際立ったパフォーマンスである。世界最大の金ETFの動向に変化が。金価格の今後の見通しとは。
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【金価格のターゲット】
上値:2,400ドル
下値①:9日移動平均線(現在2,330ドル)
下値②:2,300ドル
下値③:2,250ドル
金、再び史上最高値
NY金スポット価格(ドル建)は、米国PPI(生産者物価)が加速が市場予想を下回ったことへの安心感などが価格を押し上げ、再び史上最高値を更新した。
4月に入り、主要商品の中で、金を含む貴金属(銀、プラチナ、パラジム)の上昇が際立つ。銀は10%以上上昇し、金は6%以上昇している。
中東やウクライナ情勢の緊迫化に伴う安全資産としての需要や、新興国を中心とした中央銀行による保有資産(外貨準備高)の分散先としての金の購入が価格を押し上げている。
資料:BloombergよりDailyFXが作成。
世界最大ゴールドETF
世界最大の金上場投資信託(ETF)「SPDRゴールドシェア」を通した金の購入が、緩やかながら増加している。同ETFを通じた金の売買動向は、金価格に影響を及ぼすことがある。
3月中旬に一時、同ETFを通じた金の購入が増え、その後、3月後半から4月はじめにかけ、高値警戒感から売却に転じていた。足元、再度購入に転じており、同ETFへの投資家が金の先高感を強めていることを示唆している。
ただし、同ETFを通じた金の購入ペースは緩やかなものにとどまっており、史上最高値を連日更新する中、金に対して高値警戒感を抱いている投資家が多いことを示している。
同ETFの動向を今後も注視する必要があるものの、足元の金価格にとって中立である。
資料:BloombergよりDailyFXが作成。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -1% | 1% | 0% |
週次 | -7% | 7% | -2% |
NY金価格の見通し
NY金価格(スポット、ドル建)は、上昇トレンドを示唆する「バンドウォーク」が終了したものの、レジスタンスであった2,357ドルを上方ブレイクした。
テクニカル面で強弱入り混じるシグナルが点灯しており、金価格が上下双方に動く展開を見込む。ただし、連日史上最高値を更新し、世界最大の金ETFでも高値警戒感を示していることや、米国金利が高止まりしていることから、金価格の上値余地は限定的とみる。
金価格が上昇した局面では、2,400ドルがレジスタンスとして機能することを見込む。
一方、金価格が下落した局面では、9日移動平均線(現在2,330ドル)でサポートされるかに注目。サポートされなかった場合、2,300ドルへの下落が視野に入る。この水準を下回ると、連日の史上最高値更新の反動から下落圧力が強まり、2,250ドルへの下落を見込む。
【金価格のターゲット】
上値:2,400ドル
下値①:9日移動平均線(現在2,330ドル)
下値②:2,300ドル
下値③:2,250ドル
NY金スポット価格(ドル建)日足チャート
資料:TradingView
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著