NY金価格は3営業日ぶりに上昇。FRBの利下げ観測の高まりがサポート。テクニカル面でも注目すべき動きが見られる中、金価格の今後の見通しとは。
【関連記事】NY金・銀、せめぎ合う。シルバーの輝き。金、銀価格の今後の見通し(2024年5月14日公開)
【関連記事】NY金、3週ぶり2.6%上昇。CPIに胸が高鳴る。金価格の今後の見通し(2024年5月13日公開)
【金価格のターゲット】
上値①:2,353ドル
上値②:2,400ドル
下値①:2,336ドル
下値②:2,300ドル
【広告】金取引の仕組みについて知りたい場合は、金取引|金CFD|IG証券をご参照ください
金、3日ぶり上昇
NY金スポット価格(ドル建)は、3営業日ぶりに上昇した。米国雇用関連指標が労働市場の軟化を示したことで、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ観測が高まり、金価格を押し上げた。
金利が付かない金は、FRBの利下げ観測が高まり、米国金利が低下すると、相対的な魅力度が上昇し、金価格が上昇する傾向がある。
金は、主要商品の中で、天然ガス、銀に次ぐ上昇率である。
資料:BloombergよりDailyFXが作成。
【広告】商品取引の仕組みについて知りたい場合は、商品(コモディティ)取引とは?その仕組みと取引方法を解説|IG証券をご参照ください
FRBの金融政策
FRBの利下げ織り込みが進展していることが、最近の金価格の上昇に寄与している。金融市場では、9月もしくは11月のFOMC(米国連邦公開市場委員会)にて利下げを開始し、年内の利下げ織り込みは約1.8回程度である。
資料:BloombergよりDailyFXが作成
FRBの金融政策を占う上で重要な米国消費者物価指数(CPI)が15日に公表される。CPIは、サービス価格を中心にインフレが高止まりしている。
金融市場では、CPI全体の前年と比べた伸びは3.4%に鈍化(前月は3.5%)、基調的インフレ圧力を示すコアCPIの伸びも3.6%に鈍化することが見込まれている。
さえない米雇用指標が続いている中、事前の予想通りインフレ鈍化を示した場合、FRBの利下げ観測が一段と進展し、金価格の上昇圧力となる可能性があり注目である。
資料:BloombergよりDailyFXが作成
NY金価格の見通し
NY金価格(スポット、ドル建)は、レジスタンスとなっていたフィボナッチリトレースメント38.2%水準2,336ドルを上方ブレイクし、上昇トレンドが再開した可能性がある。RSIは50以上70以下であり、金価格のモメンタムが強気であることを示している。
FRBの利下げ観測が高まっている局面であることに加え、テクニカル面で強気シグナルが点灯する中、金価格の上昇を見込む。金価格は、4月26日高値2,353ドルを終値ベースで上方ブレイクすると、上昇圧力が一段と強まり、2,400ドルへの上昇が視野に入る。
ただし、CPIがインフレの高止まりを示し、FRBの利下げ観測が後退した場合などは、金価格が下落する可能性がある。
金価格が下落した局面では、2,336ドルがサポート転換しているかに注目。サポートされた場合、金価格の地合いが強いことを投資家に印象付けよう。サポートされなかった場合、次の下値として、2,300ドルへの下落が視野に入る。
【金価格のターゲット】
上値①:2,353ドル
上値②:2,400ドル
下値①:2,336ドル
下値②:2,300ドル
NY金スポット価格(ドル建)日足チャート
資料:TradingView
商品取引についての全てが詰まった商品パーフェクトガイドを入手したいですか?以下のバナーから無料で入手してください。
トレードに役立つ情報を、X(@Tetsuya_DailyFX) で配信中。
また、デイリーFXのXやYouTubeにて、経済指標や学習コンテンツなどを配信中。今すぐチェック!
-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著