NY金価格は、6営業日続伸、3日連続で史上最高値を更新。しかしながら、金価格とビットコインの関係に注目すべき動きが。米国金利も上昇する中、金価格の今後の見通しとは。
【関連記事】NY金、7日続伸、2300ドル。NY銀、3年ぶり高値。金、銀価格の今後の見通し(2024年4月4日公開)
【金価格のターゲット】
上値①:2,300ドル
上値②:2,357ドル
下値:2,200ドル
NY金、過去最高値更新中
NY金価格は、6営業日続伸し、3日連続で史上最高値を更新した。6営業日での上昇率は、主要商品の中で、銀、原油に次ぐ3番目の上昇率である。
金と逆の動きをする米国金利が上昇していることを勘案すると、際立つパフォーマンスである。また、金と連動する傾向のあるビットコインの上昇率をも上回っている。
資料:BloombergよりDailyFXが作成。
ビットコインとの関係
金とビットコインの価格は、近年連動性が高まっている。金がリアルゴールドと言われることに対し、ビットコインがデジタルゴールドと言われることもある。
金とビットコインは、採掘量が有限であること、特定の国・通貨に紐づかない無国籍通貨とも言える存在であるなど、似ている性質があることが、価格の連動性に繋がっている。
2024年に入り、ビットコインETFの承認などを受け、ビットコイン価格が2月に急上昇し、金価格は出遅れた。その後、金は、2月末から3月中旬にかけて、出遅れを取り戻した。
3月後半以降、ビットコイン価格が横ばいで推移する中、金価格が大きく上昇している。金価格の地合いが強いことを示唆している一方、金価格の上昇が過熱的であり、ビットコイン価格に対する上昇を縮小させる可能性がある。
また、最近の米国金利と金価格の動きの変化も、金価格に警報を鳴らしている可能性がある(「NY金、史上最高値更新中。忍び寄る米国金利。金価格の今後の見通し」参照)。
資料:Trading EconomicsよりDailyFXが作成。2023年末を100として指数化。ドル建。
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NY金価格の見通し
NY金価格(スポット、ドル建)は、上値として考えていた2,277ドル(フィボナッチエクスパンション61.8%水準)を上方ブレイクした。「バンドウォーク」が発生しており、上昇トレンドの継続を示唆している。一方、MACDでは、上昇の勢いが衰えていることを示す「弱気の乖離(ダイバージェンス)」が示現している。
テクニカル面では強弱入り混じるシグナルが点灯しているものの、ビットコイン価格の動きからも調整の可能性がある中、金価格が短期的に調整する展開を見込む。金価格は、2,200ドルへの下落が視野に入る。
一方、RSIも買われ過ぎである70を大幅に超過する中、金価格の上昇余地は限定的と見る。金価格が上昇した局面では、心理的節目である2,300ドルがレジスタンスとして機能することを見込む。ただし、この水準を下方ブレイクした場合、金価格の上昇圧力が一段と強まり、2月から3月の値動きに基づいたフィボナッチエクスパンション100%水準2,357ドルが次の上値の目処となる。
【金価格のターゲット】
上値①:2,300ドル
上値②:2,357ドル
下値:2,200ドル
NY金スポット価格(ドル建)日足チャート
資料:Trading View
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著