NY天然ガスは6営業日続落。価格動向に敏感なヘッジファンド等の動きは?天然ガス価格の今後の見通しとは。
天然ガス暴落続く
NY天然ガス価格は、6営業日続落し、2020年7月以来の安値である。1月に寒波の影響で停滞していた生産が回復していること、温暖な気候が予想されること、潤沢な在庫状況などが背景にある。
温暖な気候に伴い、天然ガスを用いた暖房需要が減少する可能性ある。米国National Weather Serviceは、今後6-10日にかけての気温が例年と比べて、暖かいとの予想を示した。
米国気温予想(今後6-10日間、赤は例年より暖かい)
資料:National Weather Service。
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天然ガスのヘッジファンドポジション
天然ガス価格動向に敏感なヘッジファンド等(投機筋)のポジション動向は、弱気モメンタムが優勢であることを示唆している(下右図)。直近3週間は、天然ガス価格に弱気のショートポジション(天然ガス先物を売り持ち、価格の低下圧力)が増加している。
また、過去と比べてショートポジションの水準が低いため(下左図)、弱気モメンタムに沿って一段と弱気なショートポジションを積み上げる余地がある。このことは、今後の天然ガス価格にとってマイナスである。
資料:CFTCよりDailyFXが作成。
NY天然ガス価格見通し
NY天然ガス価格は、MACDラインがシグナルラインを下回っており、下落の勢いが衰えていない。一方、RSIは、天然ガス価格が売られ過ぎを示唆する30を下回っている。
ヘッジファンドポジションや天然ガスの潤沢な在庫状況などは、天然ガス価格にとってマイナスである。しかしながら、年初来の大幅安を受け、悪材料の相当部分は織り込まれている可能性があり、テクニカル面で売られ過ぎを示唆していることから、天然ガス価格の大幅安の反動が起こる展開も想定される。天然ガス価格は、上下双方に動く展開を想定したい。
天然ガス価格が下落した局面では、2020年7月20日安値1.605ドルでサポートされるかに注目。この水準でサポートされなかった場合、次の下値の目途として、2020年6月25日安値1.440ドルへの下落が視野に入る。
一方、天然ガス価格が反発した局面では、9日移動平均線(MA)への上昇を見込む。移動平均線の上方ブレイクに成功した場合、天然ガス価格の弱気地合いが反転しつつあることを印象付ける可能性がある一方、ブレイクに失敗した場合、引き続き下落トレンド継続との見方を強めよう。
天然ガス価格(NG1)日足チャート
資料:Trading View
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著