NY天然ガスが9カ月ぶりの安値まで急落している。このような中、天然ガス価格にも大きな影響を持つFOMCの結果が31日に公表される。FOMCを控えた米ドル、そして天然ガス価格の今後の見通しとは。
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天然ガス、9カ月ぶり安値
NY天然ガス価格が9カ月ぶりの安値近辺まで急落している。2024年は上昇してスタートしたものの、その後乱高下が続いている。
フリーポートLNG社が、テキサスでの天然ガスの液化装置の1基が1か月停止することを発表し、米国からのLNG輸出が制限され、米国内での天然ガスの供給が増えるとの思惑が、天然ガス価格の下押し圧力となった。
資料:Trading ViewよりDailyFXが作成。
また、2月初旬の気温が例年と比べて高いとの予想が示され、暖房使用に伴う天然ガスの需要が低迷するとの見方が強まったことが、天然ガス価格の下落圧力となった。また、天然ガスの潤沢な在庫水準も価格の下押し圧力になっている。
FOMC迫る
FRB(米連邦準備制度理事会)がFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果を31日に公表する。米国の金融政策動向は、景気動向、投資家のリスクセンチメントにも大きな影響を与えることから、米ドルなどに加え、天然ガスなどの商品価格にも大きなインパクトを持つ。
金融市場では、FRBの3月利下げの実施について見方が分かれている。米国のインフレ鈍化は進展しているものの、景気が底堅く推移している中、パウエルFRB議長が3月の利下げの可能性を高める可能性は低いとみる。そのため、FRBの利下げ観測が後退、米金利が上昇し、米ドル高の進展や天然ガス価格の下押し圧力となる可能性がある。
資料:Trading ViewよりDailyFXが作成。
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米ドル指数(DXY指数)見通し
米ドル指数は、20日移動平均線(MA)が50日移動平均線を上抜け、強気の「ゴールデンクロス」が示現している。RSIは買われ過ぎを示唆する70を下回っており、米ドル指数に一段の上昇余地がある。
テクニカル面で強気シグナルが点灯し、FOMCにてFRBの利下げ観測が後退することを予想する中、2023年11月から12月末にかけての米ドル指数の下落の半値戻しの水準である103.87レベルを終値ベースで上方ブレイクすることを見込む。この水準のブレイクに成功した場合、次の上値として、米ドル指数は、フィボナッチ61.8%水準104.63レベルへの上昇が視野に入る。
可能性は低いとみているものの、FOMCにて利下げ観測が高まった場合、米ドル指数は下落しよう。その場合、フィボナッチ38.2%水準103.10レベルでサポートされるかに注目。
米ドル指数(DXY指数)日足チャート
資料:Trading View
NY天然ガス価格見通し
NY天然ガス価格は、23年12月13日安値2.235ドルを下方ブレイクし、終値ベースで2023年4月以来の水準まで下落している。9日移動平均線(MA)が20、50、200日移動平均線を下抜け、弱気の「デッドクロス」が示現している。RSIは30を上回っており、天然ガス価格に一段の下落余地がある。
テクニカル面で弱気シグナルが点灯し、FOMCにてFRBの利下げ観測が後退する可能性が高いと予想する中、天然ガス価格の一段の下落を見込む。天然ガス価格は、2023年4月14日安値1.946ドルへの下落が視野に入る。
天然ガス価格が反発した局面では、12月13日安値2.235ドルがレジスタンスとして機能するかに注目。レジスタンスとなり上方ブレイクに失敗した場合、天然ガス価格の地合いが弱いことを投資家に印象付けよう。
天然ガス価格(NG1)日足チャート
資料:Trading View
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著