NY天然ガスは3%近く上昇。在庫が予想ほど増加しなかったことが背景。天然ガスの生産・消費動向は強弱入り混じる中、天然ガス価格の今後の見通しとは。
【天然ガス価格のターゲット】
上値①:1.918ドル
上値②:2.000ドル
下値①:1.600ドル
下値②:1.522ドル
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1.天然ガス在庫
NY天然ガス価格は、米国の天然ガス在庫が予想ほど増加しなかったことを好感し、3%近く上昇した。
資料:BloombergよりDailyFXが作成
しかしながら、米国の天然ガス在庫は、依然として高水準である。過去5年の実績を上回る水準で推移しており、高水準の在庫に伴う需給の緩みが、引き続き天然ガス価格の下落圧力として機能することを見込む。
資料:BloombergよりDailyFXが作成
2.天然ガス生産・消費動向
天然ガス価格の低迷を受け、生産が大幅に減少している。生産減少は、天然ガス価格の上昇圧力となる。
一方、温暖な気候などを背景に、天然ガスの消費は引き続き低迷している。また、LNG(液化天然ガス)を作るために送られる天然ガスが減少している。大手LNG生産会社の設備不良などが背景にあるが、LNG用に使われるはずの天然ガスが米国内に供給されることになり、天然ガスの更なる需給の緩みに繋がっている。
天然ガスの消費動向や、LNGの生産動向は、天然ガス価格の下押し圧力である。
資料:BloombergよりDailyFXが作成
3.NY天然ガス価格見通し
NY天然ガス価格は、3月以降、1.600~1.918ドルのレンジで推移している。RSIは50前後、MACDラインおよびシグナルラインもほぼ横ばいで推移しており、明確なモメンタムを示していない。
天然ガスの需給が緩んでいる状況は続いているものの、悪材料は一定程度価格に織り込み済みと思われ、テクニカル面で中立な中、天然ガス価格のレンジ内での推移を見込む。
天然ガス価格が上昇した局面では、レンジの上限1.918ドルへの上昇が視野に入る。この水準を上方ブレイクすると、上昇圧力が強まり、心理的節目である2.000ドルをトライしよう。
一方、天然ガス価格が下落した局面では、レンジの下限1.600ドルへの下落が視野に入る。この水準を下方ブレイクした場合、天然ガス価格の下落圧力が強まり、2月20日安値1.522ドルへ下落する可能性がある。
【天然ガス価格のターゲット】
上値①:1.918ドル
上値②:2.000ドル
下値①:1.600ドル
下値②:1.522ドル
天然ガス価格(NG1)日足チャート
資料:TradingView
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著