※2024年6月10日11時39分更新
金スポット価格は7日、50ドル安と急落した。中国人民銀行（中央銀行）による18カ月連続の金購入が終了したようで、金価格の売り加速につながった。
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中国人民銀が金準備の積み増し停止
ブルームバーグによると、中国人民銀は4月に18カ月連続で金保有量を増加させたが、5月は前月と変わらず、積み増しが停止した。
中国人民銀は2022年以来、外貨準備高のうち金の保有量を着実に積み増しており、長年にわたり金を大量に購入している。しかし、金相場が2月中旬から急騰し、4月と5月には史上最高値更新を繰り返し、需要を減退させた。
4月、中国人民銀は6万トロイオンスの金を購入したが、購入量は3月の16万トロイオンス、2月の39万トロイオンスから徐々に減少した。6月の現在、どうやらこれ以上の購入は行われていないようで、金価格の急落につながっている。
ワールド・ゴールド・カウンシルによると、中国を筆頭とする中央銀行の第1四半期における金の購入量は記録的な水準に達した。一部のアナリストは、金価格が年初来14%急伸した一因は、中央銀行と思われる機関投資家の買いだと指摘している。
新興市場からの買いは続く？
中央銀行は長期戦略として蓄積を行う傾向がある。さらに、新興市場の機関投資家による金購入は、たとえ中国が現在の金価格の高値水準で購入を停止したとしても、まだ大きな余地を残しており、新興市場の機関投資家による買いは今後も購入が続く可能性がある。
中央銀行だけでなく、金相場はアジアの投資家、特に中国の投資家からの需要拡大によっても支えられている。中国など景気が低迷している国では、投資資金を金相場に向ける動きが強まっている。また、ウクライナや中東での紛争に伴う地政学的リスクの高まりも、ここ数年の安全資産買いを後押ししている。
スポット金価格 テクニカル分析
スポット金相場は7日、3日続伸の勢いを見せ、2週間ぶりの高値となる2,387.78ドルまで上昇していたが、中国人民銀が金の購入を停止したとのニュースが流れると、40ドル超下落した。
弱気なチャートパターンである陰の包み足（抱き線）が形成される可能性があるが、7日の取引終了後にローソク足が完全に形成されて初めて有効なパターンとなる。しかし、7日に日足チャートの終値が6日の始値である2,353.50ドルを下回れば、テクニカル分析の視点からは短期的な弱気見通しとなる。
スポット金価格 日足チャート
資料：Tradingview
最初の下値ターゲットは、55日単純移動平均線と2月から6月にかけての上昇トレンドラインが位置する2,329.86―2,329.25ドルで、その下には今週の安値2,314.80ドルが控えている。この水準が崩れれば、心理的水準2,300ドル、そして場合によっては5月初旬の安値2,277.35ドルに向けて下落する可能性がある。
5月の安値2,277.35ドルを終値で割り込むと、中期的な弱気材料となる。
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