FOMCの結果がハト派的と捉えられ、ゴールド、シルバーが上昇。NY銀価格の年初来のパフォーマンスは金を上回った。FOMCを受けた金、銀価格の今後の見通しとは。
【金価格のターゲット】
上値①：2,200ドル
上値②：2,227ドル
下値：上昇ペナントの上方トレンドライン
【銀価格のターゲット】
上値：26.14ドル
下値：25.00ドル
FOMC、利下げ見通しを据え置き
FOMC（米連邦公開市場委員会）が終了し、2024年の利下げ見通しを3回で据え置いた。インフレの高止まり、底堅い景気動向などを受け、前回12月に示した利下げ見通しを後退させるとの思惑が高まっていた。
利下げ見通しを据え置いたことや、パウエルFRB（米連邦準備制度理事会）議長、今年のある時点での利下げ実施について言及したことで、米国金利が低下し、金や銀価格を押し上げた。
金利が付かない金や銀は、米国金利低下局面で相対的な魅力度が上昇し、金・銀価格が上昇する傾向がある。
資料：BloombergよりDailyFXが作成。
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金・銀パフォーマンス
NY銀価格（ドル建、スポット）が3月に入り急上昇しており、年初来のパフォーマンスがNY金を上回った。
史上最高値を更新している金に対して出遅れていたことや、世界経済が底堅く推移していることなどが銀価格を押し上げている。
銀は宝飾用の需要に加え、工業用にも多く用いられており、金と比べて世界経済の動向の影響を受けやすい。
金価格は、3月中旬以降、FRBの金融政策の不透明感を受けて軟調に推移していた。金融政策不透明感が後退した中、金価格は再び上昇、追随して銀価格が上昇する可能性がある。
資料：BloombergよりDailyFXが作成。2023年末を100として指数化。
NY金価格の見通し
NY金価格（スポット、ドル建）は、保ち合い相場を示す「上昇ペナント」の上方トレンドラインのブレイクに成功し、金価格の上昇トレンドが再開した可能性を示唆している。
テクニカル面で強気シグナルが点灯し、FRBの金融政策不透明感が後退した中、金価格の上昇を見込む。
金価格は、上昇ペナント幅から、2,200ドルへの上昇が視野に入る。2,200ドルを終値ベースで上方ブレイクすると、金価格の上昇圧力が一段と強まり、2月から3月の値動きに基づいたフィボナッチエクステンション38.2%水準2,227ドルへの上昇を見込む。
金価格が下落した局面では、上昇ペナントの上方トレンドラインがサポート転換しているかに注目。サポートとして機能した場合、金価格の上昇トレンドが再開したことを投資家に印象付けよう。
【金価格のターゲット】
上値①：2,200ドル
上値②：2,227ドル
下値：上昇ペナントの上方トレンドライン
NY金スポット価格（ドル建）日足チャート
資料：Trading View
NY銀価格の見通し
NY銀価格（スポット、ドル建て）は、レジスタンスであった25.00ドルがサポート転換しており、地合いが強まっている。MACDラインもシグナルラインを上回っており、上昇トレンドを示唆している。
米国中心に景気は力強く、FRBの金融政策不透明感が後退し、テクニカル面でも強気シグナルが点灯する中、銀価格の上昇を見込む。銀価格は2023年の高値26.14ドルへの上昇が視野に入る。
銀価格が下落した局面では、25.00ドルでサポートされるかに注目。サポートされた場合、銀価格の地合いが強いことを投資家に印象付け、再度上昇する展開を見込む。
【銀価格のターゲット】
上値：26.14ドル
下値：25.00ドル
NY銀スポット価格（ドル建）日足チャート
資料：Trading View
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著
