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東京エレクトロン5日続落 長期金利高で半導体株安 日経平均見通しも悪化

東京エレクトロン5日続落 長期金利高で半導体株安 日経平均見通しも悪化

小雲規生, IG証券ファイナンシャルライター

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日本の半導体株の代表格である東京エレクトロンの株価が失速している。30日の終値は前日比2.49%安で、5営業日続落。アメリカの半導体株でNVIDIA(エヌビディア)の独り勝ち感が強まる中、日本の半導体株にも下押し圧力がかかっている形だ。また日本の長期金利が約13年ぶりの水準まで上がっていることも株価の重荷。半導体株の不振は日経平均全体の足を引っ張る可能性が高く、見通しの不透明感が増している。

東京エレクトロンはアメリカでの半導体株安のあおりで5日続落

半導体製造装置の東京エレクトロン(8035)の30日の終値は3万4500円。5営業日続落の結果、4月3日につけた上場来高値(3万9620円)からの下落率は12.92%まで拡大した。2023年末比では36.61%高という好調ぶりだが、失速感は否めない。

株価下落の背景にあるのはアメリカでの半導体株の変調だ。人工知能(AI)開発・サービス向けの半導体で圧倒的な強みを持つエヌビディア(NVDA)の株価は22日の2024年2-4月期決算以降、値上がりを継続。しかし29日はエヌビディアが上昇する一方で、アドバンスド・マイクロ・デバイセズ(AMD)など主だった半導体株は下落。アメリカで米国預託証券(ADR)を上場している、英半導体大手のアーム・ホールディングス(ARM)や半導体受注製造最大手の台湾積体電路製造(TSMC、TSM)も3%台の値下がりだった。

こうした中、30日の東京市場では東京エレクトロン以外にも、半導体検査装置のアドバンテスト(6857)が6.11%安、アームを子会社としているソフトバンクグループ(9984)の株価も2.30%安となった。こうした半導体株は日経平均(N225)への影響度が大きい値嵩株で、30日の日経平均は502.74円安となった。

日本の長期金利は12年10か月ぶりの高さまで上昇

また、日本の半導体株にとっては長期金利(10年物国債利回り)の上昇も不安材料になっている。LSEGによると、長期金利は30日の債券市場で一時、1.100%まで上昇。2011年7月26日(1.102%)以来、12年10か月ぶりの高さとなった。日本の長期金利は8日には0.855%をつける場面もあったことを考えれば、約3週間でおよそ0.25%ポイントの金利上昇が起きたことになる。主要中銀の1回の利上げ幅と同じ大きさだ。

こうした長期金利上昇の発端は、日本銀行が3月19日に大規模金融緩和策を終了させ、長期金利の上限のめどを1.0%に定めてきたイールド・カーブ・コントロール(YCC)を撤廃したことだ。当時、植田和男総裁は「金利水準は市場が決めるもの」とし、金融政策の枠組みの転換を強調した。植田氏はこの際、「市場金利が急激に上昇する場合には機動的なオペを打つ」と述べて、金利上昇ペースをコントロールする考えを示していたが、長期金利が1%を超える中でも具体的な動きをみせていない。

長期金利の上昇は日経平均株価の見通しを暗くする要因に

長期金利の上昇は企業や個人が融資を受けた際に支払う金利負担を重くする点で企業業績にとっては逆風。また長期金利上昇が円高につながれば、やはり輸出企業の業績は下押しされる。さらに金利上昇には株式の投資先としての魅力を相対的に低くする要因でもあり、いずれの意味合いでも株価の見通しは悪くなる。

ただ、このところは日本の金利の低さが円安を招き、輸入物価の上昇につながっているとの不満も多い。また、日銀の内田真一副総裁は27日の講演で「デフレとゼロ金利制約との闘いの終焉は視野に入った」として、今後は政策金利の水準が高くなり、不況時に日銀が利下げで対応できるだけの余裕がもてるようになるとの見方を示唆した。こうした中で、日銀が金利上昇の容認を続けるとの見通しも成り立ち、半導体株や日経平均の先行き不透明感は強まっていきそうだ。

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サムネイル画像:slyellow - stock.adobe.com

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