DailyFXのアナリスト・ストラテジストが、2024年第1四半期のトレードチャンスについて解説。シニアストラテジスト ニコラス・コーリーは、関心が高まる仮想通貨の取引所であるコインベース(COIN)に注目する。
コインベース(COIN):仮想通貨への関心が高まり、追い風が強まる?
米国最大の仮想通貨取引所であるコインベースの株価は2023年下半期には力強さを見せ、6月初旬の46ドル付近から上昇して、現在は150ドルの水準にある。この上昇は、複数のビットコイン現物投資型上場投資信託(ETF)が発表になる可能性と、半減期を迎えるビットコインのイベントを市場が織り込み、仮想通貨への関心の高まりと出来高の増加によって引き起こされている。
現在、ブラックロック、フランクリン・テンプルトン、フィデリティなど優良投資会社の12のビットコイン現物ETFが米国証券取引委員会(SEC)の承認を待っている。これらの現物ETFはビットコインに直接投資するもので、現行のビットコイン先物型ETFとは異なる。また、一般の投資家にもビットコインの値動きを正確に追う投資手段として広まるだろう。コインベースは12のETF申請のうち、9つにカストディアン(保管事業者)として指名されており、ETF発行会社に代わって原資となる現物ビットコインを保有することになる。コインベースは、このサービスに投資する予定だ。
また、今回のビットコイン半減期は2024年4月半ばと予測されており、半減期の前後にはビットコインの出来高とボラティリティが増すだろう。出来高の増加は、暗号資産(仮想通貨)市場における他の時価総額が大きい通貨やアルトコイン市場にも流れ落ちることが予想される。
こうした関心の高まりの一部はすでにコインベースの株価に織り込まれているが、チャートは株価にまだ上昇の余地があることを示唆している。2021年4月の上場時には、428ドルの高値で取引されていたが、その後の2年で下落した。株価は20日と50日単純移動平均線を上抜け、現在、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準である183ドルを試すことが確実視される。その後は、フィボナッチ・リトレースメント50%の水準230ドルが視野に入る。以下の週足チャートはコインベースの株価が高値と安値の切り下げから、現在は高値と安値を切り上げ、強気相場に転じたことを示している。
なお、投資判断の前には十分な注意とリスク管理が必要だ。現物ETFがSECに承認されなかったり、承認延期になったりした場合、コインベースの株は急落する可能性もあり、取引を始める前にはこれらのリスクを考慮しなければならない。
コインベース 週足チャート
出所:TradingView、チャート作成:ニコラス・コーリー
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