英語版レポート公開日:2024年4月1日
2024年第2四半期の投資先として、デイリーFXのシニアストラテジスト ニック・コーリーが注目するのは英10年債利回り。本記事では、今後の見通しについてファンダメンタルズ・テクニカルの両面から解説する。
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英10年債利回りは売り
イングランド銀行(BOE、中央銀行)はここ数日でハト派に転じ、英国の利下げサイクルが今までの予測よりも早期に到来すると予想される。
BOEのアンドリュー・ベイリー総裁は最近の会合で、英国のインフレ率が目標値に向かって低下を続けていることから、利下げ実施の環境が整いつつあると示した。また、直近では現在の市場関係者による利下げ見通しが現実的かどうか質問された際に、利下げ見通しは理不尽なものではないと発言しただけでなく、「会合ではいつも真剣な議論が交わされ、毎回予断を持たずに判断している」とも付け加えた。利下げの開始時期について、市場では6月20日の会合が最も有力視されているが、この最後の発言を鑑みると、5月9日の会合で利下げに踏み切る可能性も十分にある。予想金利(インプライドレート)は急に変動することがよくあるが、市場が5月会合で織り込み済みの利下げ幅は、現状ではわずか6ベーシスポイントである。
英10年債利回りは、テクニカル分析の観点では、20日と50日単純移動平均線をいずれも割り込んで弱気に傾いている。昨年12月の低下が一段落した後に発生したハイヤーハイ(より高い高値)は途切れたが、その後に発生しているハイヤーロウ(より高い安値)も相場が3.89%を下回れば消滅するだろう。その場合、次の目安は3.73%、さらに長期的には3.43%となる。上昇の動きがあれば、レジスタンスラインは厳しめの4.13-4.20%に出現するだろうが、英国のマクロ経済政策が急変しない限り、この水準をクリアするのは難しいかもしれない。
なお、商品チャネル指数(CCI)はすでに英10年債利回りが売られ過ぎと示しているため、この状態が短期的に解消されなければ、今後数週間で利回りがさらに低下するとは考えにくい。
英10年債利回り 日足チャート
出所:TradingView、チャート作成:ニコラス・コーリー
第1四半期のトレーディング総括:コインベース(COIN)は買い
コインベースは1月に小規模な急落があったものの、パフォーマンスは好調で、相場は二次ターゲット(278ドル)に到達、あるいはそれに非常に近いところで推移している。ポジションを保有している場合は、第1四半期の利益に上乗せするために部分的に利益を確定するか、トレーリングストップ(価格が有利な方向に動いた際にストップロスの水準を自動調整すること)を設定しておくのがよいかもしれない。
コインベース 週足チャート(前四半期時点)
出所:TradingView、チャート作成:ニコラス・コーリー
コインベース 週足チャート(現時点)
出所:TradingView、チャート作成:ニコラス・コーリー
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