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原油、しっかり:需要懸念が再燃も「理由なき強さ」。WTI原油見通し

原油、しっかり:需要懸念が再燃も「理由なき強さ」。WTI原油見通し

デビッド・コトル, アナリスト
原著者
居林有里, 翻訳・編集主幹
翻訳者

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このページの内容

※2024年5月16日11時28分更新

原油価格は、ファンダメンタル的にもテクニカル的にも多くの支えがあるが、それでも上昇する明白な理由はほとんどない。原油価格の見通しを探る。

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WTI原油価格 - トーキングポイント

  • 米石油在庫が予想を大幅に上回って減少したことが14日、明らかになり、15日の価格は序盤に上昇した
  • しかし長続きはしなかった
  • IEAは2024年の石油需要予測を下方修正

相場しっかりも、末端需要低迷を懸念

15日のウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油先物は、欧州市場の上昇分は幾分失ったが、直近のレンジはしっかりと維持した。

15日の原油価格は、前日に米国産原油在庫が驚くほど大幅に減少したと発表されたことを受け、堅調に寄り付いた。米国石油協会(API)によると、5月10日までの1週間の在庫は301万バレル減少した。これは市場予想の2倍以上の減少幅であり、前週の50万バレルの在庫増加から大きく転じた。

しかし、石油輸出国機構(OPEC)とその同盟国による減産が長期化・継続中であるにもかかわらず、十分な供給が確保されているように見える市場において、末端需要の水準が低いのではとの懸念が続いている。国際エネルギー機関(IEA)は15日、2024年の石油需要予測を下方修正した。日量平均110万バレルとなり、14万バレルの減産となる。

米国や他の先進国の金利がいつ低下し始めるかについては、依然として不透明感が強い。インフレは政策当局が望む方向におおむね向かっているようだ。しかし、米国の生産者物価が今週示したように、インフレ低下は一筋縄にはいかない可能性があり、中央銀行が金利を緩和するには、価格決定力に長期的なダメージを与えたと確信する必要がある。

それでも、米国や他国の経済の底堅さは、エネルギー消費という観点からは必ずしも悪いニュースではない。ウクライナとガザで続いている紛争は、悲しいことに価格の下値を下げ続けている。また、カナダのオイルサンド(油砂)由来の原油の主要産地であるフォートマクマレーの近くで山火事が発生している。フォートマクマレーからの供給継続を懸念する声も相場を下支えしている。

15日には、米エネルギー情報局(EIA)が在庫統計を発表する(結果:週間在庫は予想を大幅に上回って減少した)。

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米国産原油価格 テクニカル分析

WTI原油価格 日足チャート

資料:TradingView

相場は、心理的サポートである78.00ドルを上回る水準を維持しようと奮闘している。

最近は79.44―76.86ドルのレンジに落ち着いているようで、76.86ドルの上方に位置するリトレースメントが重要な水準だと思われる。

2022年半ばからの下降トレンドラインも接近しており、これが近づくと厳しい壁となりそうだ。それでも、現在のレンジ取引が続けば、昨年12月の安値からの上昇に終止符を打つヘッドアンドショルダーの右肩が形成されるリスクは軽減されるかもしれない。

目先は50日移動平均線と200日移動平均線を上抜けし、その水準を維持できるかどうかが、方向性を決める鍵になるだろう。まだ取引を迷っている場合は、今週末にかけての動向を見極めたいところだ。

--- DailyFX.com デイビッド・コトル著

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