※2023年10月30日12時31分更新
ドル、ドル指数、FRB、FOMC - 見通し
- ドルの上昇は、今週開催の米FOMC会合を前に一段落している
- 他国と米国の違いが引き続き、ドルを幅広く支えている
- ドルの見通しと注目すべき重要な水準とは?
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10月31日から11月1日にかけて開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)会合を控えるなか、ドルの上昇は一段落している。一服の理由のひとつとして、今月上旬に米連邦準備制度理事会(FRB)当局者がハト派的な姿勢を示したことが挙げられる。利回りが急上昇した結果、金融環境が引き締まり、FRB当局者らは利上げの必要性が低下したと指摘した。その結果、市場では現在、今週開催されるFOMC会合でFRBが金利を据え置くとの見方が大半を占めている。
パウエルFRB議長は、最近の金融情勢の引き締まりを認めつつも、利上げの余地は残した。詳細は10月20日付レポート「米ドル見通し:パウエル議長講演を受けて|対英ポンド・豪ドル・ユーロでの値動き」をご参照ください。さらに、堅調な米経済指標と、FRBの金融政策は「より高い水準でより長い期間(higher for longer)」になるとの見方が、利下げは2025年に見送られるとの観測につながっている。
とはいえ、直近の調整局面が反転に転じるには、米国と他国との違い(米国の経済が他国に比べて相対的に優れていること、FRBが他国よりタカ派的であること)が逆転する必要がある。それまでは、ドルが天井を付けたと結論付けるのは時期尚早かもしれない。
ドル指数 日足チャート
チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView
ドル指数: 変曲点が形成される?
価格チャートでは、ドル指数の上昇は伸び悩んでいるように見える。ドル指数が今月上旬に数カ月ぶりの高値を付けたため、フラクタル次元で測定した市場に対する見方の多様性は低くなっているようだ。フラクタル次元が下限(市場によって異なるが、通常1.25―1.30)に達すると、市場参加者は同じ方向に動く傾向が強まることを示唆するため、多様性が極端に低くなり、少なくとも一服、あるいは価格反転の可能性が高まる。
ドル指数については、最近、65日フラクタル次元が1.25の閾値を下回り、赤信号が点滅した。少なくとも調整か小幅下落となる可能性が高まっている(10月17日付英語レポート参照)。
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ドル指数 日足チャート
チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView
とはいえ、方向性が定まるまでは、横ばいから上向きのままで推移しそうである。当面の上昇圧力が和らぐには、10月中旬の安値105.50というサポートを割り込む必要がある。日足チャート上の一目均衡表の雲下端付近にある200日移動平均線(現在103.25)を下回らない限り、7月以降の上昇トレンドが反転することはないだろう。
ユーロ/ドル 4時間足チャート
チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView
ユーロ/ドル:小型の逆ヘッドアンドショルダー示現?
ユーロ/ドルは、1月の安値1.0480という重要なサポートで下げ止まっているように見える。最近の底固めにより、小型の逆ヘッドアンドショルダー(逆三尊、左肩:9月末の安値、頭部:10月初旬の安値、右肩:10月中旬の安値)が形成されたようである。1.0650―1.0700を上抜けると、200日移動平均線に近い1.0800に向かって上昇する可能性が開かれる。
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--- DailyFX.com ストラテジスト マニッシュ・ジャラディ著
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