※2024年6月24日12時50分更新
円相場のじり安が止まらない。ドル/円は4月に為替介入のきっかけとなった水準に近づいている。日本国債利回りは最近、上昇しているが下支え要因にならない。豪ドル/円、ドル/円の見通しを探る。
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豪ドル/円、ドル/円の分析
円相場はじり安が続き、4月に政府・日銀が為替市場に介入して円の押し上げを誘導する直前の水準に近づいている。下図を見るとわかるように、加重平均の円指数は620億ドルの円買い介入にもかかわらず、下落の一途をたどっている。
円指数(豪ドル/円、米ドル/円、英ポンド/円、ユーロ/円の加重平均)
資料:TradingView、チャート作成:リチャード・スノー
豪ドル、円安の恩恵を受ける
オーストラリアドルは、オーストリア準備銀行(RBA、中央銀行)が6月初めの会合で追加利上げの可能性について議論したことが好感され、上昇した。オーストラリアのインフレは粘り強さが続いており、市場は今年中の利下げ実施を見込んでおらず、豪ドルは買われ続けている。
豪ドル/円は105.40を突破し、介入前の高値104.95を超えた。日銀は9月まで利上げを見送るとみられているため、円相場は豪ドルに対して下落が続きそうだ。
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豪ドル/円 週足チャート:以前のレジスタンスを超える
資料:TradingView、チャート作成:リチャード・スノー
日本国債利回りは円の支えにならない
日本国債の利回りは1%の大台を余裕で超えた後、低下していたが、最近になって再び上昇している。日米金利差(5%超)が現在のように開いている限り、円安基調は続きそうだ。
10年物日本国債利回り
資料:TradingView、チャート作成:リチャード・スノー
ドル/円は静かに上昇を続ける
ドル/円は現在、151.90で反発して以来、上昇を続けており、160の節目が目前に迫っている。週足チャートでみるRSI(相対力指数)は買われ過ぎの領域に近づいているが、日本の当局者は相場の振れが比較的小さいため、今のところそれを、介入を自制する理由としているのだろう。
円安は訪日観光客の増加に拍車をかけ、訪日観光客数は3カ月連続で300万人を超えた。しかし、神田眞人財務官は円安の状況を注視している。時事通信によると、為替介入について神田財務官は「極めて例外的な状況に限り、適切な協議を踏まえて実施されるべきだ」との認識を改めて示したという。
ドル/円 週足チャート
資料:TradingView、チャート作成:リチャード・スノー
利上げ実施に至るには、日銀が物価と賃金が2%程度、相乗的に上昇していることを確認する必要がある。その意味で、21日に発表された5月の全国消費者物価指数が注目されていたが、結果はまちまち。日銀は消費者物価指数と賃金の好循環を示すデータをさらに確認する必要がありそうだ。
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--- DailyFX.com リチャード・スノー著
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