フランス40(CAC40、シーエーシー40、カック40)は、フランス経済において突出した優良企業を対象にしている株価指数です。本記事ではフランス40の詳細、その歴史、指数を構成する40社、取引を始める方法などをご説明します。
フランス40(CAC40)とは?
フランス40(CAC40、CAC指数、フランス株価指数40)とは世界の主要株価指数の一つで、フランス最大の証券取引所であるユーロネクスト・パリに上場している企業のうち、時価総額上位40社で構成されています。CACとは、「Cotation Assistée en Continu」の略であり、1980年代にパリ証券取引所に導入された電子取引システムの名前です。
フランスの経済規模は欧州経済全体の約5分の1に相当するため、欧州経済の行方を見極める上で、この指数を追っておくことが重要になります。
フランス40の構成は、独立した運営委員会によって四半期ごとに見直されます。過去12カ月間の出来高と浮動株調整後の時価総額に応じて、40社が選定されます。
フランス40(CAC40)の構成銘柄
フランス40を構成する企業は、石油大手のトタル、タイヤの巨人ミシュラン、大手保険会社アクサなどです。2023年2月時点の構成は以下の通りです。
エア・リキード | エアバス・グループ | アルストム | アルセロール・ミッタル | アクサ |
---|---|---|---|---|
BNPパリバ | ブイグ | キャップジェミニ | カルフール | クレディ・アグリコル |
ダノン | ダッソー・システムズ | エンジー | エシロールルックスオティカ | ユーロフィン・サイエンティフィック |
エルメス・インターナショナル | ケリング | ルグラン | ロレアル | LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン SE |
ミシュラン | オランジュ | ペルノ・リカール | ピュブリシス・グループ | ルノー |
サフラン | サンゴバン | サノフィ | シュナイダーエレクトリック | ソシエテ ジェネラル |
ステランティス | STマイクロエレクトロニクス N.V. | テレパフォーマンス | タレス | トタル |
ウニベイル・ロダムコ・ウェストフィールド | ヴェオリア・アンビロンヌマン | ヴァンシ | ヴィヴェンディ | ワールドライン |
フランス40(CAC40)の価格(株価)を長期チャートで解説
フランス40は1987年に創設され、その歴史がスタートします。指数の基準値は1987年12月31日に1000と設定されました。それ以後、この指数は、世界の主要株価指数の上昇と下落を、おおむね反映しています。20世紀末の頃のインターネットバブル絶頂期には6,922の高値まで急激に上昇し、その後、2003年3月には2,700を割り込み、そして再び2007年には6,000を超えるまでに回復しました。
世界的な金融危機では、米国のサブプライムローン問題が世界のマーケットに波及しました。ただし、S&P500(米国500種株価指数)などの指数とは異なり、2007年から2008年の金融危機後の株式市場の活況はフランス40には当てはまらず、フランス40はインターネットバブル時に記録した最高値を更新することはできませんでした。
以下のチャートは、21世紀のフランス40の推移です。価格を動かした重要なファンダメンタルズ要因が強調されています。
フランス40(CAC40)の価格に影響を与える4つの要因とは?
フランス40の価格は、構成する企業の株価によって変動します。また、この指数に影響を与える主な要因には次のようなものがあります。
- コモデティの価格:例えば、原油価格の変動は原油とガスを扱う石油メジャーであるトタルの株価を直撃しやすく、そうなるとトタルは時価総額でフランス最大級であるため、指数全体が影響を受けて動く可能性があります。
- 経済イベント/経済の状況:選挙など、政治的背景に影響を与える出来事は指数を直撃する可能性があります。2017年の大統領選挙のときには、ル・ペンかマクロンか、世論調査の結果によってフランス40が変動しました。また、経済成長率や雇用率が高い時期には、個人消費が増えるという期待から特定の銘柄の株価が上昇することがあります。
- 中央銀行の政策:欧州中央銀行の政策は、フランスの企業と消費者の、借り入れコストと消費の傾向に影響を与える可能性があります。
- 通貨の評価:フランス40は、特にユーロの変動に敏感です。なぜなら、この指数には多国籍企業が欧州で最も多く含まれ、また、海外からの投資も多額であるためです。ユーロ高になればフランス企業はユーロ圏外からの輸入品を安く買うことができ、一方、ユーロ安はフランス企業の輸出競争力を高めます。
フランス40(CAC40)を取引する理由3選
フランス40を取引する理由として、主に以下の3つが挙げられます。
- 流動性:フランス40は取引量が多く、高い流動性があります。取引量が多いということは、最小限のスリッページで取引ができると考えられます。株式市場における流動性の利点については、こちらをご覧ください。
- ボラティリティ:マクロ経済指標の発表や、原油価格のようなファンダメンタルズ要因が、フランス40の価格を急激に変動させることがあります。これは大きなチャンスでもあり、同時にリスクでもあります。株式市場のボラティリティの性質については、こちらをご覧ください。
- 欧州経済の代理人:フランス40は、英国FTSE100(FTSE100)やドイツ40(DAX40)、スペイン35(IBEX35)など、欧州の他の指数と併せて読むことで、欧州経済の状態について洞察を得ることができます。
英国FTSE100(FTSE 100)とは?
英国FTSE100(FTSE 100、UK100、イギリス株価指数100)とは、ロンドン証券取引所(LSE)における代表的な株価指数です。ロンドン証券取引所に上場する時価総額が大きい100社を対象としており、1983年12月31日の株価を基準値の1,000として計算した時価総額加重型指数となっています。
英国FTSE100は英国フィナンシャル・タイムズ社と、ロンドン証券取引所グループの合弁会社であるFTSE(フッツィー)が公表していますが、指数の名前自体はFTSE(エフティーエスイー)と呼ばれることが多いようです。欧州の中でも、英国FTSE100はドイツ40(DAX40)やフランス40(CAC40)と並んで、特に注目される株式指数となっています。
また、FTSE250やFTSE500といった、さらに銘柄数が多い株式指数もあります。
英国FTSE100(FTSE 100)の構成銘柄
英国FTSE100(FTSE 100)の主な構成銘柄は、以下の通りです(2022年12月30日時点の構成比率上位10銘柄)。
シェル | アストラゼネカ | ユニリーバPLC | HSBCホールディングス | ディアジオ |
---|---|---|---|---|
BP | ブリティッシュ・アメリカン・タバコ | グレンコア | リオ・ティント | グラクソ・スミスクライン |
フランス40(CAC40)の買い方
CAC40は、投資信託やETF、CFDで取引することができます。例えば、IG証券では「フランス40」という銘柄名のCFDを活用し、CAC40を取引することが可能です。CFDは買いだけでなく売りでも取引できるため、価格が上がると思うなら買い、下がると思うなら売りで取引しましょう。
CFDではスプレッドが狭く、原資産の価格に最も近い「取引期限無し」で取引することもできますが、日をまたいでポジションを保有した場合はファンディングコスト(資金調達コスト、オーバーナイト金利)がかかります。また、スプレッドは広いですが、ファンディングコストが無い「取引期限あり」の取引を選ぶこともできます。
フランス40(CAC40)に関するFAQ
ここでは、フランス40(CAC40)に関する知っておきたいことや注意しておきたいことをまとめてご紹介していきます。
- フランス40(CAC40)の構成銘柄の中で、おすすめのフランス株は?
- フランスの株式市場の取引時間は?
1. フランス40(CAC40)の構成銘柄の中で、おすすめのフランス株は?
フランス40は代表的なフランス株が網羅されていますが、2023年は中でも「LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン SE」が世界の時価総額上位10社に食い込み、大きな話題となりました。また、その他にもアクサやダノン、ミシュラン、エルメスなど、日本人になじみのある企業がたくさんあります。
2. フランスの株式市場の取引時間は?
フランスの株式市場の取引時間は、現地時間で9:00~17:30です。日本時間では17:00~翌1:30、サマータイムの場合は16:00~翌0:30です。また、IG証券のCFDであれば、フランス40(CAC40)を平日はほぼ24時間取引することができます。
フランス40(CAC40)について、さらに詳しく
フランス40の価格の動向を、DailyFXのリアルタイムチャートで確認しましょう。フランス40関連の最新ニュースや分析もご覧いただけます。DailyFXのアナリストによる記事はフランス40とその構成銘柄に関する深い洞察が含まれており、取引において有益な情報となるでしょう。
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