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FXのフラッシュクラッシュとは?原因やリスク、回避の対策を解説

FXのフラッシュクラッシュとは?原因やリスク、回避の対策を解説

DailyFX, Research
原著者
DailyFXJapan, Research
翻訳者

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このページの内容

FX市場において、フラッシュクラッシュとは、非常に短時間の間に為替レートが大きく変動する現象のことを指します。一般的に、数秒から数分程度で起こることがあり、その間に為替レートは急激に上昇したり、下落したりします。

本記事では、FXのフラッシュクラッシュとは何か、起きる原因やリスク、フラッシュクラッシュを回避するための対策を解説します。

FXのフラッシュクラッシュとは?

FXのフラッシュクラッシュとは、資産価格が急激に大きく変動することです。多くの場合、その発生に明らかなきっかけはなく、その後は迅速に値が戻ります。

通常、フラッシュクラッシュは以下のような流れで進行します。

  • 大量の売買注文が一気に発生
  • 市場の流動性が極端に低下
  • 為替レートが急激に変動(大きく上昇または下落)
  • 一定時間が経過すると、レートは元の水準に戻る

また、アジア市場の取引時間帯には流動性が平均より低くなり、流動性が薄いことで市場のボラティリティが急上昇するリスクが高まるため、フラッシュクラッシュ(瞬間的暴落)が発生して、市場で不安定な動きが見られたこともあります。

FXのフラッシュクラッシュが起きる原因

FX市場は、常に変動し続けています。投資家の心理や政治的な状況、経済指標など、さまざまな要素が市場の動きを左右します。フラッシュクラッシュは、これらの要素が一瞬に集中することで起こり得る現象です。

フラッシュクラッシュが起こる理由は、主に大きな取引量と市場の流動性の低下が組み合わさることが挙げられます。一般的には、市場に大量の注文が入っても、それに対応する売買のバランスが存在します。しかし、突然の大量の売り注文(または買い注文)が入った際に、そのバランスが崩れると、価格が急激に下がる(または上がる)現象である、フラッシュクラッシュが発生します。

他にも、以下の状況でフラッシュクラッシュが起こりやすいと言われています。

  • 突然の経済ニュースや政治的な影響で、市場参加者が一斉に売り(または買い)に走る
  • 取引量の少ない時間帯で流動性も低かった
  • HFT(ハイフリークエンシートレーディング)などの自動化された取引システムによって、高速に売買された

FXのフラッシュクラッシュは上記などの条件下で、なおかつ突発的に発生するため予測が難しいため、常にその可能性を意識しておくことが重要です。

FXのフラッシュクラッシュのリスク

FXのフラッシュクラッシュが起きた場合には、さまざまなリスクが生じる可能性があります。

資産価値の急落:フラッシュクラッシュが起こると、一瞬で保有通貨の価値が下落し、大きな損失が生じる可能性がある。

取引不能になる:フラッシュクラッシュが発生した際、市場の混乱により一時的に取引所が取引を停止することがある。これにより、通貨を売却する機会を逸してしまう可能性もある。

損切り注文の不成立:市場価格が急に変動した場合、設定した損切り注文の価格を超えてしまい、注文が成立しないリスクがある。

FXのフラッシュクラッシュによるメリットとは?

FXのフラッシュクラッシュにはリスクがありますが、メリットも存在します。

  • 購入チャンス:フラッシュクラッシュが起きた際、短時間で大幅に価格が下落する。このタイミングを「安値での買いチャンス」と捉えられる。市場が安定した後、価格が反発すれば大きな利益を得られる。
  • 取引スキルの向上:フラッシュクラッシュを経験することで、市場が不安定な状況下でも冷静に対応する取引スキルが身に付く。

しかし、これらのメリットを享受するためには、的確な知識と経験、そしてリスク管理が欠かせません。デメリットを理解し、リスク対策を十分に行ったうえで取引することが求められます。

FXのフラッシュクラッシュの事例

ここでは、実際に起きたFXのフラッシュクラッシュの事例を紹介します。

米国株式市場のフラッシュクラッシュ(2010年5月6日)|40分間で6%下落

2010年5月6日、ロンドン在住のトレーダーが、「スプーフィング(第三者によるなりすまし)」により、E-mini S&P500先物の価格を操作しました。最安の売値をやや上回る価格で「偽の」売り注文を大量に出し続けるというアルゴリズムを用いて、人為的に相場を下げた後に売り注文が約定しないようにキャンセルするというものでした。その結果、E-mini先物と株価が急落して、流動性が悪化したため、相場にさらなる影響が生じました。そして、S&P500は約40分間で暴落して値を戻しましたが、最初の20分間で6%以上急落しました。

フラッシュクラッシュが起きた時のS&P500のチャートです。

S&P 500 flash crash chart

英ポンドのフラッシュクラッシュ(2016年10月7日)|3分間で6%下落

アジア市場が取引を開始して間もなく、英ポンドはものの数分間に6%近く下落し、その後、ほぼ元の水準にまで急速に値を戻しました。この事例では、このような値動きに至った明確なきっかけはありませんでしたが、要因の1つとして、市場の出来高が少なく流動性が低くなる時間帯だったことが挙げられます。

また、オプションのポジションヘッジのために英ポンドの売り需要が急増したことも、今回の下落を悪化させた一因として挙げられる一方で、新規の情報ではなかったものの英ポンドに関するあまりよくない報道内容も、いくぶん下落を助長したと言えます。結果的に、こうした要因が先物取引を短時間中断させることになりました。

フラッシュクラッシュを見せた英ポンド/米ドルのチャートです。

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VIX指数の大暴騰(2018年2月5日)|2時間で80%上昇

2018年2月5日、S&P500は4%以上急落し、2011年8月以来、1日としては最大の下げ幅を記録しました。これと同時に発生したのが、VIX指数の上昇です。1987年以来最大の上げ幅となる20ポイント上昇しました。通常、株式市場の下落とVIX指数やVIX先物の上昇は、連動して発生します。

VIX指数やVIX先物が急騰する要因の1つには、ヘッジや投機目的でボラティリティを取引できるETP(上場取引型金融商品)が挙げられます。ボラティリティ連動レバレッジETPの発行体は、VIX先物のロングポジションを持つことで、VIX指数からのリターンを増やせます。また、ボラティリティ連動インバースETPの場合は、ボラティリティの低下を見越してVIX先物のショートポジションを持てます。

多くの投資家は、目標とするエクスポージャーを維持するために、1日の取引終了間際にVIX指数に連動したデリバティブ商品をトレーディングすることで、ポートフォリオを日々リバランスしています。

2月5日はVIX指数の急騰で、ボラティリティ連動レバレッジETPでは、エクスポージャーを維持するためにVIX先物を買い増し、ボラティリティ連動インバース型ETPでは損失をカバーするためにVIX先物を買わなければならないというフィードバックループが生じ、最終的にVIX指数が80%を上回る下落をしたため、インバース型ETPは上場廃止になりました。最終的には、全体的にボラティリティが上昇して、S&P500の下落を助長しました。この日、VIX指数は2時間で80%以上跳ね上がりました。

フラッシュクラッシュを見せたVIX指数のチャートです。

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日本円のフラッシュクラッシュ(2019年1月3日)|5分間で3%下落

2019年1月3日、アジア市場が取引を開始して間もなく、円は米ドルに対し、数分間で3%以上も急騰しました。以前のフラッシュクラッシュと同様に、今回も直接的なきっかけは不明でした。なお、フラッシュクラッシュが発生した時間帯(米国市場の取引終了後、アジア市場が取引開始した直後の時間帯)を考えると、市場の流動性が一因である可能性がありますが、日本市場が祝日で休業中だったために市場の流動性が一段と低い状態であったと考えられます。

米ドル/円のフラッシュクラッシュを示したチャートです。

USDJPY flash crash chart

円の上昇に拍車をかけたもう1つの要因には、キャリートレードの清算が挙げられます。結果的に、円は豪ドル豪ドル/円は8%下落)やトルコリラ(トルコリラ/円は10%下落)など、高利回り通貨に対して大幅に上昇しました。フラッシュクラッシュの発生前、リテール市場での円は顕著なショートポジションでした。

このグラフは、円のネットロングポジションを示しています。

グラフ  自動的に生成された説明

出所:国際決済銀行、Bloomberg、トムソン・ロイター、東京金融取引所

FXのフラッシュクラッシュを回避するための対策

最後に、FXのフラッシュクラッシュを回避するための対策を紹介します。

損切り注文を設定しておく

フラッシュクラッシュから資産を守るための対策として、損切り注文の設定が挙げられます。損切り注文とは、あらかじめ決められた範囲の価格に達した際に、自動的に取引を終了する注文方法であり、大きな損失を防ぐ役割があります。FXのフラッシュクラッシュが発生すると、損切り注文が不成立となるリスクもありますが、それでも損切り注文は設定しておくことが大切です。

流動性が低い時間帯にはなるべく取引しない

流動性が低下すると市場の乖離が生じやすく、フラッシュクラッシュのリスクが高まります。例えば、日本時間の午前7時(ニューヨーク時間の午後5時)は市場の取引量が低下する傾向があるため、取引のシグナルが出ていないのであれば、むやみに取引することは避けたほうがよいでしょう。

経済指標や政策の発表などイベントの前後ではポジションを保有しない

経済指標や政策の発表などのイベントは、大きな市場インパクトを持つためフラッシュクラッシュのリスクが高まります。これらのイベントが発生すると、投資家たちが一斉に取引する可能性があり、一時的に価格が大きく変動し、フラッシュクラッシュが起こりやすくなります。そのため、これらのイベントが予定されている時間帯では一時的にポジションを保有しないことが推奨されます。

FXのフラッシュクラッシュの原因を理解して適切な対策を

FX市場のフラッシュクラッシュは突然発生し、トレーダーに大きな影響を及ぼす可能性があります。ただし、その原因を理解し、適切な対策を講じることでリスクを最小限に抑えることが可能です。フラッシュクラッシュが起きた場合でも冷静に対応できるように、普段から意識して取引することも大切でしょう。

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