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マーケット・ブレドスとは?見方や種類、注意点をわかりやすく解説

マーケット・ブレドスとは?見方や種類、注意点をわかりやすく解説

DailyFXJapan, Research

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このページの内容

「マーケット・ブレドス(Market Breadth)」は、株式市場全体の方向性を評価するために利用される指標で、「市場趨勢指標」とも呼ばれます。本記事では、マーケット・ブレドスの見方や種類、活用方法を解説します。

マーケット・ブレドスとは?

マーケット・ブレドスは、ニューヨーク証券取引所(NYSE)やナスダックなどの市場の株価指数について、その構成銘柄のうち上昇している銘柄数と下落している銘柄数を比較します。マーケット・ブレドスはテクニカル分析の指標の一種で、指数の値動きを表面的に見ているだけでは判断が困難な、値動きに内在する強弱を評価する際に役立ちます。

マーケット・ブレドスの目的

マーケット・ブレドス指標には、さまざまな形態のものがありますが、それぞれが独自の情報を提供しています。その目的は、コンファメーション(確証)か、ダイバージェンス(相違)かを見極めることです。

株価指数とマーケット・ブレドス指標が同じ方向に動いているときはコンファメーションとなり、現在のトレンドが裏付けされたと捉えられます。その一方で、株価指数とマーケット・ブレドス指標が逆の方向に動いているときはダイバージェンスとなり、現在のトレンドが反転する可能性の警告と判断できます。

マーケット・ブレドスの基本的な見方

構成銘柄のうち、上昇している銘柄数が下落している銘柄数を上回っているときはセンチメントが強気で、投資家が高い信頼感を持って株価を押し上げていることを表します。そのため、一般的には市場が幅広く上昇する兆候と捉えられます。対照的に、下落している銘柄数のほうが多ければセンチメントは弱気となり、この先市場が下落する兆候があると判断できます。

マーケット・ブレドスでよく使われる重要な要素として、出来高が挙げられます。なぜなら、ある値動きに注目したときに、それに伴う出来高が大きかった場合は、その結果もたらされた市場価格は投資家の意見が広く一致したものであるためです。

【関連記事】マーケット・ブレドスだけでなく、基本的なチャートパターンを理解することも重要です。詳しくは、「FX・株で知っておくべき鉄板チャートパターンをプロが解説!初心者でも使える12種類」で解説しています。

マーケット・ブレドスの分類と種類

ここでは、マーケット・ブレドスでよく利用される指標を分類ごとに紹介します。

上昇・下落した銘柄数に注目する指標

  • ブレドス差

ブレドス差とは、終値が前日(または前週)比で上昇した銘柄数と下落した銘柄数の差のことです。ブレドス差が極端に大きい場合、つまり過去の終値と比較して上昇した銘柄数と下落した銘柄数の間に大きな乖離があるときは、市場全体が強気または弱気に傾いていることを示唆しています。

ただし、ブレドス差では市場の強さや弱さを定量的に把握できません。また、上場銘柄数が異なる市場間での比較も難しいという欠点があります。ブレドス差はあくまで各市場の内部的な動きを示す指標であり、異なる市場間の勢力比較には適していないことに注意が必要です。

  • ブレドス比

ブレドス比とは、市場の強気度と弱気度を表すマーケット・ブレドスの1つです。計算方法は、終値が前日(あるいは前週)比で上昇した銘柄数を、終値が前日(あるいは前週)比で下落した銘柄数で割ります。この比率が高ければ高いほど、市場は強気になり、低ければ低いほど弱気になると判断できます。

ブレドス比が1を超えた場合、上昇した銘柄が下落した銘柄を上回っているため、市場全体が強気(買い意欲が強い)であると言えます。一方、ブレドス比が1未満の場合、下落した銘柄のほうが多いため、市場全体が弱気(売り意欲が強い)であると解釈できます。

また、ブレドス比は異なる市場間での物色人気の強弱を比較するのにも利用可能です。そのため、投資先の選定や投資タイミングの決定など、投資戦略を立てる際の重要な参考指標の1つなのです。

  • 騰落株線

騰落株線とは、市場全体の動きを理解するための指標のことです。計算方法は、終値が前日(または前週)比で上昇した銘柄数と下落した銘柄数の和に、前日の騰落株線を加えることで求められます。

上昇相場が続くときは騰落株線も上昇し、逆に下降相場が続くときは騰落株線も下降します。また、上昇も下降もはっきりしない揉み合い相場のときは、騰落株線にはあまり変化が見られません。

  • A/Dライン

A/Dラインとは、上昇銘柄数と下落銘柄数の正味の差分を表したものです。例えば、S&P500が上昇トレンドのときにA/Dラインが下降トレンドの場合、S&P500の上昇トレンドは幅広い構成銘柄に支えられたものではないため、この上昇はすぐに弱まる可能性があると考えられます。

新高値・新安値に注目する指標

  • 新高値と安値指数との差

52週高値更新銘柄の数と52週安値更新銘柄の数を比較します。安値圏の銘柄数と高値圏の銘柄数のどちらが多いのかによって、市場が弱気か強気かを判断します。

  • 新値レシオ

新値レシオとは、新高値銘柄数と新安値銘柄数の比率を表したものです。新値レシオの値が1以上ならば、市場全体が強気と判断されます。なぜなら、新高値を更新する銘柄数が新安値を更新する銘柄数より多いことから、全体的に投資家の間に強気の気持ちが広がっていると捉えられるからです。

一方、新値レシオが1未満である場合は、市場全体が弱気と解釈されます。新安値を更新する銘柄が多いことは、投資家の間で弱気の見方が広まっていることを示しています。

さらに、新値レシオが1未満から1以上に上昇したとき、「買いシグナル」と判断されます。逆に、1倍以上から1倍未満に下落したら「売りシグナル」となります。これらのシグナルは、市場趨勢の転換点を示す可能性があります。

移動平均に注目する指標

  • S&P500 200日指数

S&P500 200日指数は、S&P500の構成銘柄のうち200日移動平均線を上回る水準で取引されている銘柄の割合を示します。この値が50%を超えるときは、全体的に市場は強気と判断されます。また、この数値が極端だった場合、買われ過ぎや売られ過ぎなどの状態を見極めるのにも役立ちます。

  • 移動平均上位銘柄比率

移動平均上位銘柄比率とは、上場銘柄の中で終値が移動平均を上回る銘柄の数を全上場銘柄数で割ったものを指します。終値は、週足または月足を基準にします。

計算式は以下の通りです。

移動平均上位銘柄比率=終値が移動平均を上回っている銘柄数÷上場銘柄数

この指標は市場全体の強さを測るのに用いられます。例えば、株価指数が上昇基調にあるにもかかわらず、この指標が下降していた場合、株価指数の反落が近い可能性を示唆しています。逆に、株価指数が下降基調にあるのに対し、この指標が上昇していたら、株価指数が反発する可能性が高まります。

  • 騰落レシオ

騰落レシオとは、ブレドス比(市場全体の強気と弱気のバランスを示す指標)を一定期間(n日間)で平均化したものです。計算期間(n)は任意に設定可能です。例えば、1週間(7日)の平均を取る場合、n=7とします。

  • マクレランオシレーター

マクレランオシレーターとは、上昇銘柄数と下降銘柄数の差の推移によって、株式市場全体の需給動向を推測する指標のことです。

この指標の値がプラスであれば、市場全体の上昇銘柄数が増加しつつあることを示します。逆に、マイナス値であれば、下降銘柄数が増加しつつあることを表します。

さらに、株価指数の上昇・下降傾向と組み合わせて売買シグナルとする役割もあります。例えば、株価指数が上昇傾向にありながらマクレランオシレーターがマイナスからプラスに転じた場合、買いシグナルと判断されます。反対に、株価指数が下降傾向にある中でマクレランオシレーターがプラスからマイナスに転じた場合、売りシグナルとみなされます。

  • マクレラン累積指数

マクレラン累積指数とは、マクレランオシレーターを累積したインデックスで、中長期的な市場の動向をつかむために用いられる指標のことです。この指数は、ゼロ水準との交差だけでなく、傾きの変化に注目することで、市場の本質的な動向を把握できます。

株価指数が上昇傾向にある場合、マクレラン累積指数が下落から上昇に転じると、買いシグナルとされます。逆に、上昇から下落に転じた場合は売りシグナルとされます。また、株価指数が下落傾向にあるとき、マクレラン累積指数が上昇から下落に転じれば空売りシグナル、下落から上昇に転じれば買い戻しシグナルと判断されます。

出来高に注目する指標

  • CVI(累積出来高指数)

CVI(累積出来高指数)とは、出来高ベースの指数の1つで、上昇銘柄の出来高の合計から下落銘柄の出来高の合計を差引いたものです。累計値で示されるこの指数は、市場全体のセンチメントを把握するのに役立ちます。

  • 騰落出来高レシオ

騰落出来高レシオの計算式は以下の通りです。

騰落出来高レシオ=前日(週)比上昇銘柄の出来高合計÷前日(週)比下落銘柄の出来高合計

ここで、上昇銘柄とは株価が前日(週)比で上昇した銘柄のことを指し、下落銘柄は反対に株価が前日(週)比で下落した銘柄を指します。この2つの銘柄の出来高(取引された株数)をそれぞれ合計し、上昇銘柄の出来高合計を下落銘柄の出来高合計で割った数値が騰落出来高レシオです。

この指標の特徴は、数値の1を境に市場全体の強弱が判断できる点です。騰落出来高レシオが1より大きければ市場全体が強気、つまり投資家の買い意欲が強い状態であることを示します。逆に、1より小さければ市場全体が弱気、すなわち投資家の売り意欲が強い状態であると捉えられます。

  • アームズ指数

アームズ指数は、上昇銘柄数と下降銘柄数、そして上昇銘柄の出来高合計と下降銘柄の出来高合計を使って計算されます。その値が1未満であれば市場は強気、つまり株価上昇の可能性が高いと判断されます。逆に、その値が1を超えていれば市場は弱気で、株価下落の可能性が高いと解釈されます。

また、アームズ指数は買われ過ぎや売られ過ぎの指標としても使われます。例えば、アームズ指数が一定期間高水準にある場合は、市場全体が売られ過ぎの状態である可能性があり、逆に一定期間低水準にある場合は買われ過ぎの状態であるとみなされます。このように、市場の過熱具合や冷え込み具合を確認できるため、投資のタイミングを探る際の参考になるでしょう。

  • オープンアームズ

オープンアームズ指標は、市場の中期的な傾向をつかむために利用される指標です。計算式は以下の通りです。

オープンアームズ=(上昇銘柄数の10日間合計÷下降銘柄数の10日間合計)÷(上昇銘柄の出来高合計の10日間合計÷下降銘柄の出来高合計の10日間合計)

オープンアームズは変動が激しいアームズ指数を平滑化し、より中期的な市場動向を捉えられることが特徴です。

上昇・下落局面でのマーケット・ブレドスの見方

株式市場が上昇局面、または下落局面に応じて、マーケット・ブレドスの見方は異なります。

上昇局面

景気の拡大が見られる場合は業績好転の企業が増えて、それに伴い株価が上昇する銘柄数も増加します。この状況は、全上場銘柄数に対する株価上昇銘柄の比率が50%を超えたときに出現します。そして、景気拡大の波が広がるにつれて、業績が好転する企業は増え続け、その結果、マーケット・ブレドスも上昇し続けます。

市場で取引される個々の銘柄に対して強気の見通しを持つ投資家が増えるたびに、マーケット・ブレドスも上昇する傾向にあります。特定の銘柄のみが上昇している可能性もありますが、マーケット・ブレドスが上昇していれば、多くの銘柄に強気の見通しが広がっていることを示唆します。

つまり、株価指数もマーケット・ブレドスも上昇していれば相場の勢いが強いと判断できるのです。

一方で、株価指数が上昇している局面でも、マーケット・ブレドスが下がることはあります。株価指数を形成する大型銘柄の価格は上昇している一方で、市場全体としては多くの銘柄の株価が上昇していないことを示しています。特に、重大な経済指標発表や選挙結果発表など、市場全体に影響を与えるイベントが迫っている場合には、投資家たちは結果を見極めるために慎重になり、マーケット・ブレドスは下落しやすくなります。

そのため、マーケット・ブレドスの下落は市場全体が弱気に転じる前触れであることもあります。この場合、マーケット・ブレドスの水準と変化の方向に注目しなければなりません。指標が中立を上回っているか・下回っているか(水準)と、上昇傾向にあるのか・下降傾向にあるのか(変化の方向)を見ることで、市場全体の動きをより深く理解できるでしょう。

下落局面

株価指数が下落しているときでも、マーケット・ブレドスの上昇が見られることは珍しくありません。この現象は、一部の投資家たちが市場全体の下降ペースが鈍化していると予測し、底入れが近いと判断し始めることが反映されています。

しかし、全体としてマーケット・ブレドスが低迷している間は、市場参加者の投資意欲は依然として低いままです。多くの投資家がまだ慎重な姿勢を崩しておらず、次の取引タイミングを決断できないことを意味しています。さらに、景気後退の影響が広がり業績低迷の企業が増えれば、マーケット・ブレドスは一層下降します。

逆に、株価指数が低位横ばいを続けている中で、マーケット・ブレドスが上昇傾向に転じた場合、投資家たちの間で強気の見通しが広がりつつあることを示しており、底入れ接近のシグナルとして活用できます。ただし、他の要因もあわせて考慮することが大切です。

マーケット・ブレドスと投資家心理の関係性

マーケット・ブレドスは投資家心理と密接な関係にあります。より多くの銘柄が上昇している市場は、投資家の信頼感が高いと言えます。一方で、より多くの銘柄が下落している市場は、不確実性や恐怖などの投資家心理が反映されていると言えるでしょう。そして、マーケット・ブレドスを分析することで、取引の判断には貴重な情報となる市場のムードを把握できます。

マーケット・ブレドスの注意点

最後に、マーケット・ブレドスの注意点を紹介します。

単体での信頼度を過信しないほうが良い

マーケット・ブレドスを活用することで、取引の際に十分な情報に基づいた判断が可能になります。マーケット・ブレドスは、株価指数の上昇や下落の可能性を早期に警告する役割があります。とはいえ、マーケット・ブレドスが発する警告が常に完璧なタイミングで出されるわけではないことにも注意しなければなりません。つまり、警告のタイミングが早過ぎたり、相場の反転を予測できなかったりすることもあります。

マーケット・ブレドスは、とても効果的な分析ツールですが、単体で使用すべきものではありません。そのため、取引戦略を構築する際は、値動きや経済データなど他の分析情報も組み合わせて包括的に判断することが重要です。

値嵩株と低位株が同等に評価されてしまう

マーケット・ブレドスは市場全体の動向を知るために非常に有用です。一方で、評価対象の銘柄が株価水準を考慮していない点には注意が必要です。

例えば、人気は高いものの発行済み株式が少なく、価格が高水準にある「値嵩株」と、人気は低いものの発行済み株式が多く、価格が低水準にある「低位株」が存在します。マーケット・ブレドスの多くはこれらの株を同列に扱ってしまうため、市場の動向を正確に反映できない可能性があります。

【関連記事】マーケット・ブレドスを参考にする際には、他のテクニカル指標と組み合わせることがおすすめです。テクニカル分析について、詳しくは「テクニカル分析入門|テクニカル分析の基礎知識をプロが解説!」をご覧ください。

まとめ

マーケット・ブレドスは、主要株価指数の動きを本質的に理解するうえで欠かせない分析ツールです。表面的な値動きからは判断が難しいようなコンファメーションやダイバージェンスを見極められることがメリットです。

ただし、マーケット・ブレドス指標は取引の判断に単体で使用すべきではありません。値動きの分析や他の市場データと組み合わせることで、複雑な株式市場を読み解く際の貴重な情報となり、より信頼性が高い分析結果を得られるでしょう。また、マーケット・ブレドスを適切に活用することで、今後の市場トレンドを見極め、全体的な市場の勢いに沿った取引判断ができるはずです。

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推薦者: DailyFXJapan
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