WTI原油価格は、需給が引き締まるとの思惑から2日連続で上昇した。23年12月以降、価格動向に敏感なヘッジファンドに注目すべき動きが。原油価格の今後の見通しとは。
原油続伸
原油の需給が引き締まるとの見方が強まり、原油価格は2日連続で上昇した。米国エネルギー情報局(EIA)の月次見通しにて、2024年の米国の原油生産量を下方修正したことが上昇要因となった。また、中東情勢の巡る不透明感も原油価格の上昇圧力となった。
資料:Trading Viewより作成
米国原油生産量の予想(100万バレル/日)
資料:EIAよりDailyFXが作成。
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原油先物のヘッジファンドポジション
原油価格動向に敏感なヘッジファンド等(投機筋)は、原油価格に対して弱気のショートポジション(原油先物の売り持ち、価格の下落圧力)を削減している。結果、ロングポジションからショートポジションを引いたネットロングポジションが増加している。
ただし、原油価格の先行きに強気のロングポジション(原油先物の買い持ち)を積み上げてはいない。このことは、ヘッジファンドは強気に転じてはいないものの、弱気見通しを撤回していることを示唆している。
ショートポジションの水準は依然として高い。そのため、ヘッジファンドが一段と弱気見通しを撤回、ショートポジションを削減し、原油価格の上昇圧力となる可能性がある。ヘッジファンドポジションは、今後の原油価格にとって中立~プラスである。
資料:CFTCよりDailyFXが作成。
WTI原油価格の見通し
WTI原油価格(1バレル)は、1月3日から29日にかけての値動きに基づいたフィボナッチリトレースメント78.6%水準71.42ドルでサポートされ、下落トレンドからの反転を示唆する「同時線」が示現している。
ヘッジファンドポジションは中立~強気であり、テクニカル面で明るい兆しが出ている中、WTI原油価格の上昇を見込む。WTI原油価格は、フィボナッチ38.2%水準75.47ドルへの上昇を見込む。
一方、中東情勢は不透明感があり、緊張緩和が見られた場合、原油の供給が安定するとの思惑から、原油価格の下落圧力となる可能性がある。その場合、WTI原油価格は、フィボナッチ78.6%水準71.42ドルで引き続きサポートされるかに注目。
WTI原油価格日足チャート
資料:Trading View
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著