WTI原油価格価格は、2週間ぶりに大きく下落。イスラエルとハマスの停戦期待などが背景。中東情勢が変化しつつある中、投機筋の動向に注目すべき動きが。中東情勢に左右される中、原油価格の今後の見通しとは。
【原油価格のターゲット】
上値:20日移動平均線(現在84.30ドル)
下値①:50日移動平均線(現在81.69ドル)
下値②:79.52ドル
原油下落
WTI原油価格は、イスラエルとイスラム組織ハマスとの間での停戦期待などを受け、1.5%下落した。4月17日以来、約2週間ぶりの下落率である。イスラエルは、ハマスとの交渉で譲歩の姿勢を示唆している。
資料:BloombergよりDailyFXが作成
原油、投機筋の撤退?
中東情勢の緊張緩和の兆しや、原油価格の高値警戒感などを背景に、価格動向に敏感な投機筋(ヘッジファンド等)は、強気見通しの買い持ちポジション(原油先物のロングポジション)の利益確定を図っている。
買い持ちポジションの水準は過去と比べ、依然として高水準な一方、原油に弱気の売り持ちポジションの水準は低水準である。
投機筋の動向は、原油価格に影響を与えることがあり、一段と買い持ちポジションの削減を進めた場合、原油価格の下落圧力となる可能性がある。
資料:CFTCよりDailyFXが作成
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WTI原油価格の見通し
WTI原油価格(1バレル)は、50日移動平均線でサポートされている一方、20日移動平均線がレジスタンスとなっている。ただし、RSIは50を下回り、モメンタムが弱気に転換したことを示唆している。
投機筋のポジション動向に加え、テクニカル面で一部弱気シグナルが点灯する中、原油価格の下落を見込む。原油価格は、50日移動平均線(現在81.69ドル)の下方ブレイクが視野に入る。終値ベースでブレイクした場合、次の下値として2月5日から4月5日にかけての上昇の半値戻しの水準79.52ドルをトライしよう。
中東情勢に緩和の兆しが見られるものの、イスラエルとハマスの停戦交渉決裂や、イランがイスラエルに攻撃するなど、情勢が悪化する可能性は依然としての残る。中東情勢が悪化した場合、中東からの原油供給が混乱するとの見方から、原油価格が上昇しよう。
原油価格が上昇した局面では、20日移動平均線(現在84.30ドル)を終値ベースで上方ブレイクできるかに注目。ブレイクに失敗した場合、原油の地合いが弱まりつつあることを投資家に印象付けよう。
【原油価格のターゲット】
上値:20日移動平均線(現在84.30ドル)
下値①:50日移動平均線(現在81.69ドル)
下値②:79.52ドル
WTI原油価格日足チャート
資料:TradingView
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著