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FXの通貨ペアにおける相関関係・逆相関関係一覧。トレードでの活用方法も解説

FXの通貨ペアにおける相関関係・逆相関関係一覧。トレードでの活用方法も解説

DailyFX, Research

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※2024年6月20日更新

FXの相関関係と逆相関関係は、長期的な値動きの見極めに役立ちます。例えば、相関性が高い通貨ペアは、同じ方向に動きやすく、取引の参考にすることが可能です。本記事では相関関係と逆相関関係の一覧、活用方法や取引手法について解説しています。

【関連記事】最も流動性の高いFX通貨ペアのトレード戦略とは? ユーロ/ドル、ドル/円、英ポンド/ドル

FXの通貨ペアにおける相関関係とは?

通貨ペアの相関関係(FXの相関関係)は、ある通貨が別の通貨と、どの程度の相関関係にあるのかを示すもので、長期的な値動きを見極める際に役立ち、FXの取引における意思決定に影響を与えます。

通貨は多様なペアで取引されるため、一つの通貨ペアが完全に独立した値動きになることはありません。言い換えると、特に複数の通貨ペアを同時に取引する場合、ある通貨ペアが、他の通貨ペアに関連してどのように動くのかを理解しておくことが重要です。

FXの取引では通貨ペアの相関関係・逆相関関係を活用できる

FXの取引では、通貨ペアの相関関係を利用して、互いに相殺し合うポジションを認識していると、そうしたポジションの保有を避けることができます。また、通貨ペアの相関関係を利用して、分散したポートフォリオを作ることもできます。これらのトレード戦略については後述の通りです。

FXの相関関係は、数値で表すことができます。この「相関係数」は、「-1~+1」の値で相関関係の度合いを示します。例えば、「+1」は正の線形相関で、2つの通貨が常に同じ方向に変動することを意味します。そして、相関係数が「-1」であれば、2つの通貨は常に逆方向に変動し、相関係数が「0」であれば、2つの通貨に相関関係はなく、互いにランダムに変動します。

例えば、豪ドル/米ドルユーロ/米ドルの相関係数が「正の0.50」の場合、過去のデータ上、豪ドル/米ドルが上昇したときは、ユーロ/米ドルも50%の確率で上昇したことを示しています。具体的には、下図をご覧ください。

下の図は、ユーロ/米ドル(青)と英ポンド/米ドル(赤)の相関関係を表したものです。下半分の(赤い)グラフは、通貨ペアの相関係数を示していますが、この通貨ペアでは、ほとんどの場合で同じような方向に動いている一方で、時々、逆相関関係が表れるのが見て取れます。さらに、(赤いグラフの)山は相関関係を示し、谷は逆相関関係を示します。

ユーロ/米ドル - 英ポンド/米ドルの相関係数

一方、下図は米ドル/スイスフラン)とユーロ/米ドル(青)の相関関係を示しています。通貨ペアの相関係数(下半分の赤いグラフ)を見ると、主に逆相関関係で推移していますが、時折、相関関係が表れていることが見て取れます。

米ドル/スイスフラン - ユーロ/米ドルの相関係数

FXの通貨ペアの相関表を読み解く

通貨ペアの相関表は、異なる期間における主要な通貨ペアと他のペアとの相関関係を示すものです。そして、上図でご紹介したように、相場が推移するにつれ通貨ペアの相関関係は変化する可能性があり、実際に変化することもあります。

例えば、下表は、20日間、60日間、90日間の時間軸で、5つの主要な通貨ペアと英ポンド/米ドルとの相関係数を示したものです:

英ポンド/米ドルユーロ/米ドル米ドル/円米ドル/スイスフラン米ドル/カナダドル豪ドル/米ドルNZドル/米ドル
20日間-0.160.250.50-0.35-0.33-0.57
60日間0.77-0.29-0.58-0.67-0.12-0.46
90日間0.610.20-0.36-0.45-0.01-0.03

引用元: https://tradecaptain.com/correlation-studies

例えば、英ポンド/米ドル米ドル/スイスフランを20日間という短い時間軸で見ると、相関関係が表れています。その一方で、米ドル/スイスフランとユーロ/米ドルは、長期的には逆相関関係があることが分かります。スイスフランは避難通貨であり、経済が混乱して株価が下落すると劇的に上昇することがあります。

FXで相関関係がある通貨ペア一覧

相関性の高い通貨ペアは似た動きをすることが多いため、互いのチャートを参考にして取引することができます。相関性の高い通貨ペアには、以下のようなものがあります。

相関関係が強い通貨ペアは、同じ方向に値動きが推移しやすい傾向があり、取引をする際の参考にすることが可能です。

FXで逆相関関係がある通貨ペア一覧

FXには相関関係が強い通貨ペアだけでなく、逆相関関係が強い通貨ペアもあります。逆相関関係が強い主な通貨ペアは、以下の通りです。

  • 米ドル/円・ユーロ/米ドル
  • ポンド/円・ユーロ/ポンド
  • ユーロ/米ドル・米ドル/スイスフラン

逆相関関係が強いということは、一方の通貨ペアの価格が上昇するともう一方が下落する傾向があるということになります。例えば、米ドル/円が上昇するとユーロ/米ドルは下落する可能性が高いということです。

とはいえ、あくまでもこれは傾向であり、通貨ペアの相関関係や逆相関関係は変化することもあります。

FXの通貨ペアの相関関係・逆相関関係の活用法

通貨ペアの相関関係や逆相関関係は、インターマーケット取引(スプレッド取引)、ヘッジ取引、リスクの分散で多く活用されています。

インターマーケット取引(スプレッド取引)

例えば、片方のマーケットで値動きのパターンが明確ではない場合、より明確なパターンが見られるもう片方のマーケットの値動きを参考に、明確ではないマーケットでの取引をおこなうことができるため、互いに密接に相関するマーケットを認識しておくことはとても重要です。

相関関係を特に有効に活用できるのはコモディティ(商品)市場であり、インターマーケット取引の例としては、米ドル/カナダドル石油のペアが挙げられます。カナダは対米国最大の石油輸出国のため、この通貨ペアはコモディティ(商品)価格の影響を受けやすく、石油価格が上昇するとカナダドルは米ドルに対して上昇する傾向にあります。また別の例として、豪ドル(AUD)と金の相関関係が挙げられます。オーストラリアは世界有数の金の産出国であるため、貴金属価格の上昇は豪ドル高に繋がるのが一般的です。

ヘッジ取引

FXの相関関係を利用した取引には、ヘッジ取引もあります。豪ドルに対して強気で豪ドル/米ドルを買いたい場合、米ドルの価格変動リスクの一部をヘッジ(回避)しようと米ドル/スイスフランを買うというのは、理にかなったトレード戦略です。

リスクをヘッジする際に、pipsやポイントの差異を有効に利用することもできます。あるペアの1 pipの変動が「1ロット=100,000通貨」当たり10ドルの場合、同じ通貨単位で1 pipの変動が9.20ドルで、かつ前者のペアと逆相関関係にあるペアを使って、取引を効果的にヘッジすることができます。

リスクの分散

通貨ペアの相関関係は、リスク分散に活用することもできます。例えば、3つの取引(英ポンド/NZドル米ドル/日本円ユーロ/日本円)をする場合、3つが、それぞれ互いに相関関係にないことが確認できていれば、取引を効果的に分散していることになります。

相関関係や逆相関関係を利用したFXの手法3選

FXの通貨ペアの相関関係や逆相関関係について理解が深まったところで、具体的な取引手法を見ていきましょう。

  1. 為替変動リスクを抑えてスワップポイントを狙う
  2. レンジ取引に利用する
  3. エントリーと決済のタイミングに活用する

1. 為替変動リスクを抑えてスワップポイントを狙う

通貨ペアの相関関係を上手く使うことで、為替変動のリスクを抑え、スワップポイントを受け取ることができます。なぜなら、相関関係の強い通貨ペアは、同じ方向に動く傾向があるからです。

例えば、豪ドル/円とNZドル/円は相関関係の強い通貨ペアとして有名です。どちらも資源国で地理的にも近く、金利が高いという特徴があります。

以下は豪ドル/円とNZドル/円の日足チャートですが、どちらも似た形状になっています。

image1.png

出所:IG証券

image2.png

出所:IG証券

しかし、両国の政策金利に大きな違いがあるケースも見られ、この場合はスワップポイントを狙うことが可能です。例えば、豪ドル/円の売りスワップがマイナス100円、NZドル/円の買いスワップが150円であれば、豪ドル/円を売ってNZドル/円を買うことで50円のスワップポイントを積み上げていくことができます。

為替差益は相関関係によってあまり動かないことが期待でき、スワップポイントだけ安定して受け取れるということになるのです。

2. レンジ取引に利用する

相関関係の強い通貨ペアは、レンジ取引に利用することができます。例えば、豪ドル/円とNZドル/円には高い相関性がありますが、これは豪ドルとNZドルの間に高い相関性があるからです。

そのため、豪ドル/ NZドルという高い相関性を持つもので構成された通貨ペアは、チャートが横ばい、つまりレンジ相場になりやすいと考えられます。以下は豪ドル/NZドルの月足チャートですが、ほとんどのケースで1.0000〜1.1500の間で推移しています。

image3.png

出所:IG証券

高い相関性を持つもので構成された通貨ペアは、相場の天井や底が分かりやすいことが多く、レンジ取引におすすめです。

3. エントリーと決済のタイミングに活用する

通貨の相関関係は、エントリーと決済のタイミングに活用することもできます。例えば、ユーロ/円がレンジブレイクした際は、相関性の高いポンド/円も同じように動く傾向があります。

黒い背景に白い文字がある  低い精度で自動的に生成された説明

つまり、ユーロ/円とポンド/円のチャートを確認して共にブレイクしていれば、そのままブレイクした方向に進む可能性が高いと判断できるのです。逆に、どちらかが逆方向に動いていればダマシのブレイクの可能性が高まります。

逆相関関係にある通貨ペアの場合、各通貨ペアが同じ方向に動いていればダマシのブレイクの可能性が高いと考えましょう。

また、順張りでの取引で、保有している通貨ペアと相関性が高い通貨ペアでトレンド終了のサインが出ている場合、利食いのタイミングと見ることもできます。このように、相関関係を意識することで、エントリーや決済のタイミングの根拠にすることができるのです。

FXの相関関係・逆相関関係を活用する際の3つのポイント

FXの相関関係を利用してトレード戦略を立てる際に考慮すべき点は、以下の3つです。

  1. 市場間の相関関係を利用する:主要株価指数などリスクを回避したい市場と、強い相関関係または逆相関関係がある市場を探します。一般的に、FXトレーディングは、高い流動性があり、24時間市場にアクセスできます。
  2. 強い相関関係あるいは逆相関関係にある通貨ペアを見つける:相関係数の「+ 0.5超」や「- 0.5未満」は、強い相関関係を表します。そして、リスク回避のためのヘッジ取引に、これらの強い相関関係を利用します。
  3. リスクを分散する:相関関係があまり強くない、相関係数が「- 0.3 ~ + 0.3」のマーケットを探して、リスクを分散するとよいでしょう。

FXの相関関係・逆相関関係を活用する際の注意点2選

相関関係や逆相関関係についてしっかりと理解を深めることで、勝率アップが期待できます。しかし、相関関係や逆相関関係を活用する際には、以下のような注意点もあります。

  1. 相関関係はあくまで傾向
  2. 相関関係は変化する

1. 相関関係はあくまで傾向

相関関係はあくまで傾向であり、必ず同じような動きをするわけではありません。つまり、「Aが上昇すれば、Bも上昇する」、「Aが下落すれば、Bも下落する」といった傾向があるだけで、必ずそうなる保証は無いのです。

相関関係が強いからと言って、片方の通貨ペアが動いた時に何も考えずにもう片方の通貨ペアを買ったり売ったりしてはいけません。もちろん、逆相関関係でもこれは同じです。

そのため、相関関係や逆相関関係は、あくまでも取引の参考とし、様々な情報を考慮して取引をしていくようにしましょう。

2. 相関関係は変化する

相関関係は一定ではなく、変化し続けます。要するに、相関関係は強くなったり弱くなったりするということです。

例えば、豪ドル/円とNZドル/円は通常、高い相関関係がありますが、細かく見れば異なる動きをしている時期もあります。したがって、それぞれの通貨ペアの相関関係は、最新のデータをチェックするようにしてください。

FXの相関関係・逆相関関係に関するFAQ

この項目では、FXの相関関係や逆相関関係に関する知っておきたいことをまとめてご紹介していきます。

  1. 米ドル/円(USD/JPY)とユーロ/米ドル(EUR/USD)には、なぜ逆相関関係があるのですか?
  2. カナダドル/円(CAD/JPY)と豪ドル/円(AUD/JPY)には、なぜ相関関係があるのですか?

1. 米ドル/円とユーロ/米ドルには、なぜ逆相関関係があるのですか?

米ドル/円とユーロ/米ドルには、共に米ドルが含まれていることから、これらは逆相関関係になる傾向があります。例えば、米ドル/円は米ドルが買われて円が売られると上昇し、ユーロ/米ドルはユーロが売られて米ドルが買われると下落します。

そのため、米ドルが買われると基本的に米ドル/円は上昇、ユーロ/米ドルは下落するのです。逆に、米ドルが売られると基本的に米ドル/円は下落、ユーロ/米ドルは上昇します。

2. カナダドル/円(CAD/JPY)と豪ドル/円(AUD/JPY)には、なぜ相関関係があるのですか?

カナダとオーストラリアは共に資源国であることから、カナダドル/円と豪ドル/円には相関関係があります。カナダは原油、オーストラリアは鉄鉱石や石炭などを主に輸出していますが、原油価格と石炭価格は同じエネルギー資源として相関性が高く、両国の通貨も相関性が高くなる傾向があるのです。

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